日比谷公園では現在、約16万平方メートルの公園全体を使った都市づくりイベント「第29回全国都市緑化フェアTOKYO」が開催されている。
世界的なランドスケープアーティスト石原和幸さんによる庭園、テーマは「東北の風景」
同イベントは1983(昭和58)年、国土交通省提唱の下で「緑ゆたかな街づくり」をテーマに大阪で初めて開催。以来28年間、北海道から鹿児島県まで全国各地に会場を移動しながらほぼ毎年度1回開催されてきた。
東京での開催は1984(昭和59)年以来2回目で、日比谷公園、上野恩賜公園、井の頭恩賜公園など都内の大型公園を中心にした6カ所をメーン会場に展開。「緑の風がふきぬける東京」をテーマに、庭園の展示、マルシェ出店、参加型イベントなど複合的なアプローチで都市緑化に関する意識の高揚と知識の普及などを図る。9月29日から30日間開催し、全体で500万人の来場を目指す。
日比谷公園では、今年10周年を迎えた「日比谷公園ガーデニングショー」を合同開催。企業による最先端の緑化技術や環境技術、著名なアーティストの作品展示や市民参加企画も盛り込み、大小さまざまな庭園を紹介する。
園内のランドマークの一つである「大噴水」には、華道家・假屋崎省吾さんが手掛ける竹を使った大規模装飾「花の泉」がお目見え。竹で作り出す流線型と噴水の動きとのコラボレーションが見どころとなっている。
通常は立ち入り禁止の芝生も一般開放。小音楽堂裏手の第一花壇には、ランドスケープアーティストとして国際大会でゴールドメダル受賞経験もある石原和幸さんが制作したガーデンが設置されている。「東北の美しい風景」をイメージしてモミジやマツなどの植物、棚田などをレイアウトしたガーデンで、「東北の風景を再び取り戻す」という願いを込めて制作したという。
第二花壇では、東北への思いをつづったプレートと鉢を並べて世界地図を描く、来場者参加型の企画「一万人のメッセージガーデン」を展開。開会から約2週間を経た現在、9割が完成している。ほかにも園路などを会場に、6メートル×4メートルのスペースに造園業者らが思い思いのガーデニングを施した作品46点をずらりと並べる「ガーデンコンテスト」、ハンギングバスケットやコンテナガーデンなどの公募作品も一堂に展示する。公園全体に和風、洋風、オリジナルなど多様な庭園が広がり、色とりどり花を目当てに、チョウチョウやハチなどが飛び交う姿も見られる。
開場時間は9時30分~16時30分。入場無料。10月28日まで。