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銀座で加納典明さん新シリーズ展-撮影画像を加工、出力、加筆して「1点もの」に

加納典明さん

加納典明さん

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 写真家・加納典明さんが顔の画像を加工、加筆して「1点もの」に仕上げた作品展「カオ」が10月11日、キヤノンギャラリー銀座(中央区銀座3、TEL 03-3542-1860)で始まった。

大型作品20点が一堂に並ぶ展示会場

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 加納さんは1942(昭和17)年愛知県生まれ。高校を卒業後杵島隆さんらに師事し、フリーランスの写真家としてコマーシャル・フォト、広告制作・エディトリアルなどに関する写真撮影を手掛けるように。1969(昭和44)年に開催した個展「FUCK」が大きな話題を集め、以降は写真家としての活動のほか、小説、映画、DJ、レコード製作、ムツゴロウ王国への移住など幅広い活動を展開する。

 ポートレート写真で知られる加納さんが、「アナログからデジタルに取って代わろうとしている」現代に向けて取り組む新シリーズ。これまで撮りためた写真や、同展に向けて新たに撮影した写真をパソコンに取り込んで加工し、キャンバスに出力。初めて筆を手にし、キャンバスに転写された写真に自ら記号や模様を描き込んだ。

 「いままでのキャリアで最も多く撮ってきたもの」という「顔」をテーマに、大型作品20点を一堂に紹介。今年の春から準備を進め、加筆作業はひと夏かけて取り組んだ。各作品は「ひらめき」で加筆した1点ものとして、「ジャンルにとらわれない」作品作りを展開する。

 撮影のモデルには、加納さんの孫たちの姿も。孫をモチーフにした作品では、同じ写真が様々に画像加工され、加筆されることで全く異なる表情を生む。カラフルな色使い、独自の記号使いも見どころ。

 「こういう時代に写真家としてできることを模索した結果が、今回の作品。銀塩表現は自分の強みとして続けていく一方で、これからもどんどん自分の皮をめくっていきたいし、それが時代のページをめくることにもつながれば」と話す。

 開館時間は10時30分~18時30分。日曜・祝日休館。10月17日まで。

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