銀座・有楽町エリアの商業施設に現在、被災地復興への祈りを込めてクリエーター、美大生ら約1200人がデザインしたオーナメントを飾り付ける「ユニセフ 祈りのビッグツリー」がお目見えしている。
「デザインの力で被災した子どもたちを笑顔にしたい」と昨年発足したプロジェクト。アートディレクターの福島治さん、HAKUHODO DESIGNの永井一史さん、電通ソーシャル・デザイン・エンジンの並河進さんが発案し、日本ユニセフ協会と共催。昨年はプロのデザイナーや美大生など有志約2000人が制作したオーナメントを飾った「ビッグツリー」を銀座・有楽町エリアと被災地に設置したほか、被災地の保育園、幼稚園でオーナメントを作るクリスマス会も開いた。
福島県でのクリスマス会では「震災の後にこうして子どもたちに行事をしてあげられるのがうれしい」(実施会場の先生)という声があり、津波の影響で建物が破壊され、夜は暗かったという復興屋台村気仙沼横丁では、ツリーがイルミネーションとして横丁を照らした。
「被災地の復興はまだ緒についたばかり。オーナメント作りを通して『忘れていない』ということを伝えていきたい」と日本ユニセフ協会広報室の井上知美さん。今年は岩手県、宮城県に加え、福島からの避難生活を送る母子が集まる山形県の会場を訪れクリスマス会の実施を予定。これに参加するボランティアスタッフも募集している。
銀座・有楽町エリアでは11月に入り、有楽町ロフト、銀座三越、松屋銀座、ルミネ有楽町、SHISEIDO THE GINZA(11月21日~)の5カ所にツリーを順次設置。有楽町ロフトの全長3メートルのツリーでは、ネズミが顔を出しているブーツや、茶色とカーキ色の和風ツリー、ファーをまとったトナカイなど、参加者の思いのこもったオーナメント250個がカラフルに揺れる様子を見ることができる。
井上さんは「昨年と同じように東北の子どもたちの幸せを願って、ツリーを見上げていただきたいという気持ち。プロジェクトを通して、オーナメント一つ一つに込められた思い、東北のオーナメント作りで生まれる笑顔を感じていただければ」と話す。
銀座・有楽町5会場でのツリーの設置は12月25日まで。