松屋銀座(中央区銀座3、TEL 03-3567-1211)7階「デザインギャラリー1953」で1月23日から、贈答の際の儀礼として金品の上に掛け、相手に進呈する方形の布「袱紗(ふくさ)」の魅力を紹介する企画展が始まった。
風呂敷や袱紗などの儀式用品、和装小物の企画・製造・卸売りを手掛ける京都の老舗「宮井」(京都市中京区)のコレクションを紹介する同展。前回の展示「クロシロフロシキ」に協賛したことが縁で、前回に続いてグラフィックデザイナーの佐藤晃一さんが監修を務めて企画化。「風呂敷文化の普及と復興」を掲げる同社よりすぐりの袱紗を展示する。
通常、絹の布地で作られて吉祥の文様などが施されることの多い袱紗。江戸中期から昭和初期にかけての袱紗には、刺しゅうや染めなど美しい手技の光る逸品が多くあるといい、同展では日本伝統のデザインが光る10数点を紹介。各展示品に文様の意味など解説を添えて、袱紗の魅力を紹介する。
2月8日には関連企画として、風呂敷の専門家を講師に迎えて「包む」をテーマにしたワークショップを展開。さまざまな物の包み方を伝える。申し込みはメールかファクスで受け付ける。参加費は2,000円。詳細はオフィシャルサイトまで。
日本デザインコミッティー事務局長の土田真理子さんは「袱紗とは現在はあまり遭遇することがなくなってしまった存在だが、そこには手技の素晴らしさとともに、相対する人に礼を尽くす日本人の精神が宿っている。今回の展示を通して、日本人の古の姿を感じてもらえれば」と話す。
開催時間は10時~20時(最終日は17時まで)。入場無料。2月18日まで。