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「平清盛」題字でも知られるダウン症の書家・金澤翔子さんの専門美術館、銀座に

30坪のホワイトキューブに金澤翔子さんの大型作品を並べる

30坪のホワイトキューブに金澤翔子さんの大型作品を並べる

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 銀座メグミオギタギャラリーが2月14日、27歳の気鋭書道家・金澤翔子さんを専門に扱う「銀座金澤翔子美術館」(中央区銀座2、TEL 03-3248-3405)としてオープンした。

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 金澤さんは1985(昭和60)年目黒区生まれで、生後間もなくダウン症と診断された。書道家の母・金沢蘭鳳さんに師事して5歳から書道をスタート。7歳で般若心経を書き、16歳で日本学生書道文化連盟展金賞を受賞。19歳で雅号・小蘭を取得し、力強くのびのびとした筆跡を持ち味に次々と作品を発表。席上揮毫(きごう)なども積極的に実施して人気を集め、2012年には福島県に「銀座金澤翔子美術館」を開館。NHK大河ドラマ「平清盛」の題字を担当したことでも知られる。

 もともと「普通のギャラリーを続けていくよりも、スペースの有効活用ができないか」(荻田徳稔さん)という思いがあったという同ギャラリー。金澤さんにも「販売中心の個展よりも、より身近な場所で大作を紹介できる拠点があれば」との思いがあり、今回の開館が実現した。

 場所はメグミオギタギャラリーが営業してきた東銀座の一角で、金澤さんを館長に迎えた美術館として展示内容を一新。金澤さんの大作や代表作を中心に、毎回テーマを決めて3~4カ月程度のサイクルで作品を入れ替えていく予定。面積は約30坪で、運営はメグミオギタギャラリーが行う。

 現在は金澤さん自身も「最高傑作」という屏風(びょうぶ)に書いた「華厳」を含め、「鎮魂」「共に生きる」などの文字を記した7点を紹介。ポスターや書籍などのグッズ類も販売する。展示入れ替え期間中はメグミオギタギャラリーの企画展示を開催する予定で、「今後は金澤さんと来場者が直接会える機会も設けていきたい」(荻田さん)とも。

 金澤さんの作品について、「書に『うまく書こう』という欲がない。アートとして見ても、字に生命が宿っているかのような迫力がある」と荻田さん。荻田さんは震災後、アートというジャンルが軽薄に見えることもあったというが、「金澤さんの作品には、それでも続けていく意味、良さを感じる」という。

 開館時間は11時~19時。月曜休館。入館料は500円。今回の展示は5月末まで。

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