三省堂書店有楽町店(千代田区有楽町2)は、村上春樹さんの3年ぶりとなる書き下ろし長編小説「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の発売日となる4月12日、通常の開店時間の10時まで、店舗前で早朝7時から特別販売を行う。
同店スタッフの新井見枝香さんは「文芸書というジャンルでは発売前に予約が入るということ自体が珍しいが、この本は表紙のビジュアルや内容についての事前情報が無いにもかかわらず、現時点ですでに2桁の予約が入っている。有楽町のお客さまは新しいものに素早く反応される方が多いこともあり、4桁の販売を目標に通常より早い時間からの販売を決めた」と話す。
三省堂では、話題性のある新刊本が発売される際に大量の本をタワーのように積み重ねて販売する「タワー組み」が名物で、過去には巻き貝の形や2本のタワーに橋を渡した形にしたディスプレーが話題を呼んだ。今回も当日の朝6時30分ごろに入荷する同書を「タワー組み」し、7時からの販売に間に合わせるという。
「これだけ多くの人たちが同時に同じ本を読むという体験をすることは珍しいのでは。発売日当日は店頭で呼び込みなども行い、お祭りのように盛り上げていきたい」と意気込みを見せる。