INAXギャラリー(中央区京橋3、TEL 03-5250-6530)で、現代美術個展「西 雅秋『超・刻へ』」+「大地の芸術祭2006『再生民家のアーティストたち』展」が開催されている。
西さんは、作品を大気や水に浸し、自然・時間の作用によって人間と自然のかかわりを表すことで知られる彫刻家。森や湖を使った大がかりな作品が多く、文化庁芸術選奨新人賞など国内外での多くの受賞経験がある。
今回の作品は、同ギャラリーそのもの。昨夏神奈川近代美術館葉山館で個展を開催し、「彫刻家として何も作るものがない」という西さんに同ギャラリーが「『作る』ではなく、壊すというのはいかがでしょう」と提案し実現したもので、2007年2月から5月まで休廊するため、原状回復をする必要がない同ギャラリーの京橋から新橋を見下ろせる眺望を生かし、入り口を新橋側へ移して銀座通り側からの採光、ネオンを採り入れるため11メートルの壁に細長いスリットのような窓を作った。「光と暗闇、記憶をテーマにしたインスタレーション」(同ギャラリー)だという。
また、今年の夏新潟で行われた「大地の芸術祭2006」で発表された作品の1つで、過疎や地震により空き家になった民家や学校を再生したものにアーティストが作品を展示した「空き家プロジェクト」も紹介。民家の建築的な再生には、民家研究の第一人者で筑波大学の安藤邦廣教授と3人の建築家によって結成されたユニット、プロスペクターなどが携わり生まれ変わった民家に、フランスを代表する現代美術作家、クリスチャン・ボルタンスキーさんや日比野克彦さんなど国内外の美術家が、民家のほこりを集めて作った山脈や、内外を鏡で覆うなどのインスタレーションを行った様子を、民家の模型10点、写真70点により展示を行う。同プロジェクトに参加したアーティストによるトークイベントなども予定。
開催時間は10時~18時。休廊日は日曜・祝日(12月27日~2007年1月4日まで)2007年1月20日まで。入場無料。