日本に現存する最古のビアホール「ビヤホールライオン銀座七丁目店」(中央区銀座7)で4月8日、創建80周年イベントが行われ、仕事帰りや家族連れ、友人同士などの客で店内は満員の盛況となった。
80周年を迎えた「ビヤホールライオン銀座七丁目」店内で復活した噴水
サッポロライオン(八丁堀4)が経営する同店は、1934(昭和9)年4月8日に竣工した大日本麦酒の本社ビル1階でビアホールが開業したのが始まり。
店内は「豊穣(ほうじょう)と収穫」をコンセプトに造られたもので、大麦を表現した矢じり型の装飾から成る太い柱、ビールの泡をイメージした水玉模様の照明やブドウの房をモチーフにしたシャンデリア、ビール大麦を収穫する女性たちが描かれた店内正面の大型ガラスモザイク壁画など、内装のほとんどは創建当時のままの姿が残され、時代を超えて多くの客に親しまれている。
8日には音楽の生演奏や、近年は使われていなかった店内噴水の復活式も行われ、同社の刀根(とね)義明社長は「80年の歴史の中では戦争もあった。空襲を免れたこの店は戦後、接収されて進駐軍専用のビアホールだった時期もある。長らくご愛顧いただいている皆さまとともに、これからも歩んでいきたい」と話し、恒例となっている「ウォー」の掛け声を発し、来店客と共に乾杯を行った。