京橋のLIXIL(リクシル)ギャラリー(中央区京橋3、TEL 03-5250-6530)で現在、「薬草の博物誌 森野旧薬園と江戸の植物図譜(ずふ)展」が開催されている。
薬草を主とする「本草学」は江戸時代に中国から渡来し、多くの「本草書」や図譜が出版されるなどした。
「森野旧薬園」は約1000種の動植物の図譜などを収めた「松山本草」の著者である森野賽郭(さいかく)によって1729(享保14)年に開かれた、現存する日本最古の私設薬草園。約300坪の薬園には、現在も約250種類の薬草や観賞用植物が江戸時代からの方法で栽培されている。
同展では薬草に焦点を当てながら、賽郭の意思を今も受け継ぐ森野旧薬園を紹介するとともに、江戸の初期から後期および本草学が近代植物学へ移行する時期にかけて描かれた主要な植物図譜の変遷を、約90点の資料のほか、写真・映像などで紹介する。
同ギャラリーの村木玲美さんは「鮮やかな色彩、大胆な構図で描かれた江戸時代の植物図譜は、繊細なエンボス加工が施されているものなどもあり、驚くほどに美しい」と話す。
「本展を通して、日本独自の発展を遂げた本草学を少しでもご紹介できれば」とも。
開館時間は10時~18時。水曜休館。入館無料。5月21日まで。