シロタ画廊(中央区銀座7)で現在、入江明日香さんの個展が開催されている。
入江さんは多摩美術大学絵画学科版画専攻卒業後、同大学博士前期課程美術研究科版画領域を修了。2012年~2013年には文化庁新進芸術家海外研修員としてパリで学んだ。国内外の美術館や百貨店などで作品を発表しており、同画廊での展示は、2005年を皮切りに今回で10回目となる。
浮世絵風のグラデーションや銅版画の細い線などさまざまな版画技法を使って刷った紙を部分的に切り抜き、画面の中で再構成した上で墨、絵具などで描き込みを加える作品は、「流鏑馬(やぶさめ)」「鷹匠(たかじょう)」「火消し」など日本独自の文化を感じさせる人物を中心に、藤・アサガオなどの植物、ウサギ・馬・スズメ・昆虫などの動物、パリの街並み・東京タワー・高速道路などの建築物などさまざまな要素がちりばめられた色鮮やかなもの。
会場には新作16点を含む19点が並ぶ。全て一点物で、価格は28万800円~。
「ヨーロッパで見た葛飾北斎や歌川広重の色彩がとても鮮やかに感じられ、あらためて日本美術の素晴らしさに気が付いた」と話す入江さん。
「版画でしか出ない色・線を使いながら、古今東西、時空をも超えた世界観を表現できれば」とも。
開廊時間は11時~19時(最終日は17時まで)。日曜休廊。12月2日まで。