「~いい音ってなんだろう~ レクチャーコンサート」が8月11日、ヤマハ銀座ビル(中央区銀座7)6階のコンサートサロンで開かれた。
同コンサートは会員制サービス「ヤマハミュージックメンバーズ」の会員向けイベントとして催されたもので、ピアノ調律師の村上輝久さんとピアニストの三舩優子さんが出演し、約50人の聴衆に対してレクチャーとミニコンサートが披露された。
村上さんは1929(昭和4)年、浜松市生まれ。1948(昭和23)年、ヤマハ(静岡県・当時の名称は日本楽器製造)に入社し、ピアノ技術一筋に歩む。ベネデッティ・ミケランジェリやスヴャトスラフ・リヒテルといった「巨匠ピアニスト」たちの信頼を得て、専属ピアノ調律師としてヨーロッパやアメリカなど世界26カ国を回った。1980年(昭和55)年にはピアノ調律師養成機関「ヤマハピアノテクニカルアカデミー」の初代所長に就任。講座や書籍などを通じて、音楽史とピアノの変遷や構造を一般に広める活動を行なっている。
三舩さんは桐朋学園大学在学中に第57回日本音楽コンクール第1位を受賞。古典から現代音楽まで幅広いレパートリーを持つピアニストとして、国内外で活躍している。
当日は現在のピアノが生まれるまでの経緯とその時代背景、アップライトピアノとグランドピアノの違い、ピアノの演奏・表現技術などについての村上さんのレクチャーに来場者が熱心に耳を傾け、三舩さんと村上さんのトークの後は、三舩さんがベートーヴェン、ショパン、ドビュッシーらの曲を演奏。聴衆から大きな拍手を受けた。