ギンザ・コマツ(中央区銀座6、TEL 03-3572-5151)は6月4日から、ギンザ・コマツ1階「アートスペース」で「さよなら ナム・ジュン・パイク」を開催している。
ナム・ジュン・パイクさんは、1932年韓国に生まれ、東京大学文学部美学・美術史科を卒業後、ドイツへ渡り音楽を学ぶ。その後、視覚芸術と音楽を中心に、映像・文学・演劇など、あらゆる芸術形態を混合させて活動した芸術集団「フルクサス運動」に出会い、同運動の中心的存在として活動。以後、同運動の中で培った映像を駆使する独自のスタイルによる芸術活動を行い、「ビデオアートの父」と呼ばれる。パイクさんの作品はソウル・オリンピックで展示されたほか、ベネチア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞、ニューヨーク・グッゲンハイム美術館で大回顧展が開催された。
同所では、今年1月9日にマイアミの自宅で逝去したパイクさんが発表した、前衛舞踏家マース・カニングハムさん、20世紀芸術の巨匠マルセル・デュシャンへさんへのオマージュとして作られたビデオ作品「マース・バイ・マース・バイ・パイク」、クレヨン画「無限のハート」(店内側)「無限のハート・幻」(中央通り向き)を、オマージュとして展示している。
同展示は「ワタリウム美術館」との同時開催で、その経緯を同店広報担当者は、「ギンザ・コマツの小坂社長は、パイクさんが日本滞在時の定宿にしていた『フェヤーモントホテル』(2002年にクローズ)の社長兼総支配人も務めていたことからパイクさんと親交があり『アートスペース』の2006年テーマが『夢の力:憧れへのオマージュ』であるため、独創的な作品とその生き方で多くの人に感動を与えたパイクさんへのオマージュという意味で展示が決定。ワタリウム美術館と同所での展示期間が一部重なるため、同時開催という話がまとまった」とし、「同時開催によって、より多くの方々にパイクさんの業績を知ってほしい」と話している。開催期間は7月25日まで。