銀座柳画廊(中央区銀座5、TEL 03-3573-7075)は2月21日と28日、銀座エリアの7画廊を巡るツアー「銀座の画廊巡り」を開催する。巡回中には同画廊副社長の野呂洋子さんが各画廊の特色や画廊での作法、コレクションについてなどの解説を行う。
同企画は、銀座5丁目~8丁目の7画廊、日動画廊、ぎゃらりい秋華洞、泰明画廊、スルガ台画廊、ギャラリー白石、水谷美術、東京画廊を、参加者と野呂副社長が巡回するもので、「敷居が高いというイメージ」(野呂さん)を払しょくし、「お客さまと画廊の距離を縮める草の根的な活動」(同)を通して今後、画廊への「入り口」を開くのが狙い。
野呂さんは日本アイ・ビー・エムで社内システムの構築などに携わった元エンジニアで、夫で同画廊社長の野呂好彦さんとの結婚を機に、全くの畑違いである美術業界へ飛び込んだ。当時を振り返り「社会で学んだ常識とされることが美術業界では通用しなかった。絵描きは常識がないのが当たり前でそれがかっこいいとされる風潮があった」といい、「これからは絵描きさんにもルールとマナーが必要で、来廊される方には画廊での作法を知っていただき、時間が許す限り多くの画廊を巡りたい」と話す。
銀座の画廊の現状として「貸し画廊」なのか「企画画廊」なのか一見分からない点や、展覧会中に知らない人が入ると居心地が悪い雰囲気になることなどを挙げ、「外からの新しい動きが組み込まれることでこれまで続いてきた美術史の脈絡が続いていく。新しい風のひとつとして村上隆さんや奈良美智さんに代表される現代アートが挙げられるが、(新しい風が)なければ衰退する」との懸念から、「日本美術史のメーンストリームの近くにいる人たちが新しい風をくみ取っているのが現状。業界の中から変わっていく必要性がある」と今回の企画に至った経緯を話す。
協力を依頼した画廊の多くは、業界にとって新しい動きである同企画を快諾。好彦さんは当初反対の姿勢を崩さなかったというが、夫婦で話し合いを重ね、「どうしてもやり遂げたい」という洋子さんの思いに後押しされるかたちで開催が決まった。5月には、中央区主催の「中央区民カレッジ」でも洋子さんが講師となり同様の企画を行うという。
「30~40代の絵画に興味のあるサラリーマンの方、コレクターに興味がある方の参加をイメージしている。画廊はブティックであり作家のヒストリーを残す場でもある。お買い求めやすい絵画なども用意しているので気軽に足を運んでいただければ」と洋子さん。
集合14時、解散16時。参加費は2,000円(お茶・お菓子付き)。定員は各日10人。問い合わせは銀座柳画廊(TEL 03-3573-7075)まで。