老舗すし店の店主が描く錦絵「江戸町火消し」-銀座・伊東屋で新作展

岡田さんの新作となる「いろは組勢揃」。再現された江戸町火消しのようすや「はんてん」姿など「粋な世界」を垣間見ることができる

岡田さんの新作となる「いろは組勢揃」。再現された江戸町火消しのようすや「はんてん」姿など「粋な世界」を垣間見ることができる

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 銀座・伊東屋(中央区銀座2、TEL 03-3561-8311)9階ギャラリーで3月28日より、岡田親(ちかし)さんの錦絵展「火消しに惚れたIII」が開催される。

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 京橋生まれの岡田さんは、明治時代から4代続く老舗寿司店「京すし」(中央区京橋2)の店主。幼いころから慕っていた近所の鳶(とび)頭の影響で「火消し」に出会い、はんてん姿に強いあこがれを持ったという。「火事とけんかは江戸の華」というほど「江戸町火消し」は江戸町を代表する文化の一つ。高校生のころから火消しの浮世絵を収集していた岡田さんだが、高値を吹っかけられたこともあり、「ならば自分で描いてやろうじゃねぇか」と決意したのが、絵を描き始めるきっかけとなった。

 同ギャラリーでの展示は2年ぶり3度目。独学で学んだ岡田さんの作品は、和紙にアクリル絵の具で彩色する錦絵で、「遊び心がありながら、おしゃれで、かっこよく、勇ましい」(同店)。火消しの「組」の中には階級があり、はんてんの柄の大きさで区別されることなど、時代考証を厳密に再現した作品には、臨場感があふれる「粋な世界」が表現される。

 展示作品は、「子ども姿」7点や「大江戸六十四組全員集合」「いろは組勢揃い」など約50点の新作。そのほか、ちょうちんや消し札に屋号や名前を入れることができるオーダー作品の版画(額付き=7万3,500円~)や扇子(男持ち、女持ち)、ポストカードなども販売する。

 同店イベントプロデュース室の木内さんは「本物を知る人だからこそできる技」と岡田さんの作品に太鼓判を押す。「岡田さんの展示は『いよっ、待ってました!』と掛け声がかかるほど毎回問い合わせが多く、評判がとても良い。若いカップルから年齢層の高い方まで幅広い方々に支持されている」とも。

 開催時間は、水曜~土曜=10時30分~20時、日曜~火曜=10時30分~19時(最終日=10時30分~18時)。入場無料。4月5日まで。

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