銀座で報道写真家・名取洋之助さん写真展-1937年のアメリカを撮影

名取さんの目線で抜き取った1937年のリアルなアメリカ写真が並ぶ

名取さんの目線で抜き取った1937年のリアルなアメリカ写真が並ぶ

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 吉井画廊(中央区銀座8、TEL 03-3572-5727 )で現在、故・名取洋之助さん写真展「AMERICA 1937」が開催されている。

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 名取さんは1910(明治43)年、実業家の父・名取和作氏と母ふく子の間に東京高輪で生まれた。慶応普通部を卒業後、ドイツへ遊学中に出会った9歳年上のドイツ人女性エルナさんと恋に落ち結婚。その後、ドイツ、アメリカ、日本を拠点に活躍し、1933(昭和8)年には木村伊兵衛や原弘などと「日本工房」を設立、1937(昭和12)年には日本人として初の「ライフ」誌の契約カメラマンになるなど、戦前から前後にかけて活躍した日本の報道写真の先駆けとして知られる。

 同展では1937(昭和12)年に「ライフ」誌と「フォーチュン」誌からフォトルポルタージュ「日本人の見たアメリカ」の依頼を受け、自動車で50日間、約8,000キロのアメリカ横断中に撮影した約72点の作品を紹介。「古き時代のアメリカ風物」をテーマに収められた、デトロイトの自動車工場、シカゴの農業食肉市場、オクラホマの石油採掘現場やニューメキシコの荒涼とした砂漠などの白黒写真が並ぶ。

 写真家の松本徳彦さんは「サブプライム・ローンに端を発したアメリカの金融破綻、深刻な世界の経済危機とは対照的な『豊かな良き時代のアメリカ社会』を記録された写真を通して顧みるのも意味がある」とコメントを寄せる。

 開廊時間は10時~19時。日曜・祝日休廊。7月31日まで。

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