頓知ドット(新宿区)は12月2日、アップルストア銀座店(中央区銀座3)で「セカイカメラ」バージョン2.0の概要を発表した。
セカイカメラは、現実環境にコンピューターを使って情報を付加・提示する「AR(Augmented Reality=拡張現実感)」という新しい技術を利用したiPhoneアプリケーション。9月24日、App Storeで配信を開始したところ、公開から4日間で10万件のダウンロードを記録するなど大きな反響を呼んだ。
「Sekai Camera SUKIYAKI 2009 Tokyo」と題した同発表会。「上を向いて歩こう」のBGMで登場した同社CEOの井口尊仁さんが概要を説明した。新バージョンでは外部連携「Open Air API」を公開し動画や外部サイトへのリンクや外部サイトからのエアタグ投稿、Twitter(ツイッター)への対応、他アプリとの連携などを可能にするという。ズーム機能も加り、ダブルタップやピンチイン・アウトでの操作も可能になる。
来年2月の開始を目指して開発を進める「Open Air Post」では、各地の「街ネタ」を報道するニュースサイト「みんなの経済新聞ネットワーク」の配信も明らかにした。各媒体が配信する位置情報付き記事の一部をセカイカメラへも配信し、位置情報に基づきエアタグとして表示する。対象は同ネットワークの国内全媒体。
ゼンリンデータコム(千代田区)が展開する法人向け地図活用ソリューション「e-map」とのコラボ第1弾は、ドラッグストアチェーン大手のマツモトキヨシ各店にセカイカメラを向けると店舗情報を表示する。店舗情報以外のセカイカメラ新バージョン掲載も検討していく。楽天トラベル(品川区)は参画する約2万3千件の宿泊施設の宿泊料金、評価、特徴などの情報掲載を同日より開始したほか、今後、楽天トラベルサイトへ経由し予約できる機能の提供も行う。
さらに、井口さんは「777」をキーワードに挙げ、現在の日本語と英語での表示から中国語、フランス語を含む7言語、77カ国でのサービス提供予定するという。
ユーザーの声で多かった「エアタグの機能向上」面では「打てば響くエアタグ」(井口さん)を目指しSocial AR「Sekai Life」を構築。ユーザーのプロフィール公開機能やフォロー、メンバーのタイムライン表示、返信、過去の投稿表示、すれ違ったユーザーの足跡表示などの機能が新たに加わる。「新しい人間関係の創出やコミュニケーションツールとして使ってほしい」(同)。
他のiPhoneアプリとの連携「Open Air IAC」では1枚の写真をリアルに変化させアバターとしても楽しめる「Photo Speak Air Tag」や、1本の木をのみで削って制作したオブジェをスクリーン上に置きギャラリー空間として楽しめる「Jazz Sculptor on Air Tag」のデモンストレーションも披露。
2010年のビジョンでは、グーグルのページランクをイメージした「新鮮で有益な情報」を入手可能にする「Sekai Ranking」や、現実世界への橋渡しとなる「Sekai Switch」の提供を掲げる。そのほか、新城カズマさんの小説「15×24」とのコラボや、エアタグ上で音楽を提供しiTunesへ導く「Air Tunes」の実施も予定。
バージョン2の提供はまもなくリリース予定。今後の進ちょく情報はツイッター内の@sekaicameraでアップデートしていく。