東京国立近代美術館フィルムセンター(中央区京橋3、TEL 03-5777-0600)で1月7日、「戦後フランス映画ポスターの世界」展が始まった。
同展では、映画とともにポスター芸術のレベルの高さも評価されるフランスで1934(昭和9)年~1963(昭和38)年に製作された映画のオリジナルポスター80点を展示。1947(昭和22)年にフランス映画輸出組合日本事務所(SEF)として設立され、1963(昭和38)年に活動を停止した洋画配給会社「新外映」がかつて所蔵し、その後、同センターに寄贈したもので、公開は今回が初めて。1月7日~3月28日の約3カ月を2会期に分けて紹介する。
第1期ではレイモン・ベルナール監督「レ・ミゼラブル」、イヴ・アレグレ監督「デデという娼婦」など38点、第2期ではジャン・コクトー監督「オルフェ」(1950年)、ルネ・クレマン監督「太陽がいっぱい」(1960年)など。著名ポスター画家(アフィシスト)のルネ・ペロンやエルヴェ・モルヴァンなどが手がけ、色鮮やかなものや趣のあるグラフィック作品が会場に並ぶ。ジャン・コクトー監督「恐るべき親達」、マルセル・レルビエ監督「ラ・ボエーム」(1945年)など15点は2会期にわたって展示する。
そのほか、新外映が日本公開版として作成した「太陽がいっぱい」「勝手にしやがれ」「歴史は女で作られるもの」など日本語が組み合わされた日本版ポスターも16点登場。今月23日には京都工芸繊維大学名誉教授・竹内次男さんによる「1950年代・フランス・映画・ポスター」をテーマにしたトークショーを予定する。
同センター事業推進室研究員の赤崎陽子さんは「センター内で旧作名画の上映も行っているので年配の方にも多く利用していただいている。前回開催したソビエト映画のポスターを集めた展示には映画好きな方だけでなくデザインの勉強される方にもお越しいただいた」と話す。
開室時間は11時~18時30分。月曜休室。会期は、第1期=1月7日~2月14日、第2期=2月17日~3月28日。入室料金は、一般=200円、大学生・シニア=70円、高校生以下無料。