キヤノンギャラリー銀座(中央区銀座3、TEL 03-3542-1860)で6月17日より、東京工芸大学芸術学部写真学科教授の吉田成(あきら)さんの写真展「残された原風景 東京、佃島界隈(かいわい)」が開催される。
1957 (昭和32)年東京生まれの吉田さんは生後10カ月まで佃かいわいで過ごした。当時の記憶はないが、「においや風を感じ、音を聞いていたに違いない」と振り返る。少年時代にも一時期、同かいわいで暮らしたことがあり、今も時々訪れる縁のある土地だという。
「今、撮影しておかなければ二度と見ることができなくなってしまう」との思いから、再開発が進み近代的な都市空間へ急速に変化を遂げている佃・月島周辺をカメラに収め始めた吉田さん。同展では「東京都中央区という立地にありながら昭和の面影を残す佃・月島周辺」を2年にわたり撮影した40~45点の作品を展示する。
「まだ開発の手が届いていない、いわば『真空地帯』のような場所」をカメラに収め、木造の家屋が並ぶ小道や軒先など佃・月島の街並みを紹介する。これまでに撮影した家や店が取り壊されたことも度々あったという。同展開催と同時に写真集の発行も予定。吉田さんは「魅力的な街並みの記録を後世に残したい」と話す。
同ギャラリーでの開催後は仙台、梅田、名古屋のキヤノンギャラリーで巡回展を予定している。開廊時間は10時~19時(最終日は15時まで)。日曜・祝日休廊。今月23日まで。