東京タワーや六本木の景観など現代的なモチーフを、伝統的な日本画テイストでユーモラスに描き上げる人気画家・山口晃さんの個展が12月28日より、銀座三越(中央区銀座4)で開催される。
山口さんは1969(昭和44)年東京生まれで、1996年に東京芸術大学大学院美術研究科を修了。翌年、現代画家の会田誠さんがキュレーターとなり「無名の新人」を紹介する「こたつ派」展に参加して一躍その名を広めた。2001年には岡本太郎記念現代芸術大賞優秀賞を受賞。
現代的なモチーフを日本の古典的画法を用いて描き上げるなど、時空間の混在するスタイルが特徴。代表作の一つ「百貨店圖(ず) 日本橋 新三越本店」では、金雲が漂う鳥瞰(ちょうかん)図の中央に、モダン建築の百貨店が堂々とそびえ立ち、武士とサラリーマン、高速道路と飛脚などがにぎやかに同居する。
会場では東京タワーの中央部に洋式建築を織り込んだ「東京タワー」(2010)、改修工事が進む東京駅を題材にした「東京駅改装室(其の一)」(2010)、電柱・路電のオブジェなど新作約10点を紹介。「百貨店圖」や武士が食卓を囲む「最後の晩餐」などの代表作も合わせ全部で約70点の作品が並ぶ。
営業統括部催物担当の雨宮寿和さんは「新しくなった銀座三越の年末年始を飾る展示は、お客さまの知的好奇心を刺激する話題作を、との思いで企画した」と話す。「非常に特徴的で面白いものが多いので、ご家族で楽しんでもらえるのでは」とも。
開催時間は10時~20時(12月31日は18時まで)。来年1月1日は休業。入場料は一般500円ほか。1月10日まで。