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築地の老舗料亭「新喜楽」で芥川・直木賞作家発表-結果見守り続け50年

日本三大料亭の一つと称され、芥川・直木賞の選考会場としても知られる老舗「新喜楽」

日本三大料亭の一つと称され、芥川・直木賞の選考会場としても知られる老舗「新喜楽」

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 「金田中」(中央区銀座7)、「吉兆」(本店=大阪市中央区)と並び日本三大料亭の一つとされる築地の老舗料亭「新喜楽」(築地4)で1月17日、第144回芥川賞・直木賞の選考発表会が開かれた。

選考会場には約100人の報道陣が詰めかけた

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 7年ぶりにダブル受賞が重なった各賞の受賞者は朝吹真理子さん、西村賢太さん(以上、芥川賞)、木内昇さん、道尾秀介さん(以上、直木賞)の4人。例年通り1階で芥川賞、2階で直木賞の選考会をそれぞれ行い、約100人の報道陣が集まった2階控え室で審査結果を発表。結果を聞きつけるやいなや報道陣が受賞者記者会見の会場・東京会館(千代田区)へ移動するため足早に店を後にする姿は、築地・市場橋交差点の年2回の風物詩にもなっている。

 こうした光景を50年以上見守り続けてきた同店。前身は1875(明治8)年、日本橋茅場町に伊藤きんさんが創業した「喜楽」で、明治半ばに現在の地に移転した。1913(大正2)年に木村さくさんが2代目おかみを譲り受け「新喜楽」を開店したが、1923(大正12)年には関東大震災の被害を受け当時の建物は喪失。現在の建物は、数寄屋建築を独自に近代化した設計で昭和期に活躍し、歌舞伎座の改修も手がけた建築家・吉田五十八(いそや)が設計、改修を重ねたもの。

 創業当初から伊藤博文や大隈重信など政府要人が「日本の未来を語り合った」場とされる同店は、72帖の大広間をはじめ洋間・ホールなど広い空間づくりも特徴。1935(昭和10)年から続く「芥川賞」「直木賞」(日本文学振興会主催)の選考会場として習慣的に利用されるようになったのは1955(昭和30)年からで、「当時文藝春秋が銀座に本社を構えており、仕事の上で利用していたのでは」と同振興会事務局長の明円(みょうえん)さん。

 同振興会では、2012年7月に開催予定の第147回芥川賞・直木賞選考会まで、すでに同店を予約済だという。

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