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歌舞伎座の外観デザイン発表-高層ビルは縦格子で引き立て役に

晴海通り側から望む、第5期歌舞伎座の完成イメージ図

晴海通り側から望む、第5期歌舞伎座の完成イメージ図

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 歌舞伎座(中央区銀座4)と松竹(築地4)は4月5日、2013年春の竣工を目指して建て替えが進む歌舞伎座の外観イメージを発表した。

昭和通り側から見た第5期歌舞伎座

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 第5期歌舞伎座は、約6,790平方メートルの敷地に劇場と高層ビルを併設する複合施設として隈研吾建築都市設計事務所(港区)と三菱地所(千代田区)が共同設計。地上29階、地下4階、塔屋2階建ての構造規模で、昨年10月に着工した。劇場部分を歌舞伎座が、高層ビル部分を松竹の子会社SPCが運営し、災害時には3,000人の一時避難所としても機能する。

 晴海通りに面した劇場部分では、瓦屋根・唐破風(からはふ)・欄干(らんかん)などの外観から正面ロビーの大広間・客席まで、第4期歌舞伎座を継承したデザインで統一。客席数や舞台サイズも第4期と同程度を想定しながら、安全性を向上させる。

 高層ビル部分では、有効面積約514坪、天井高2.8メートル、奥行き20メートルの無柱空間を基準に、地上7階から29階までをオフィスとして賃貸する。地上からの出入り口は昭和通り側に配し、地下出入口は東京メトロ日比谷線・都営浅草線東銀座駅に直結。ファサードは、日本建築で捻子連子(ねりこれんじ)格子と呼ばれる縦線を強調したデザインで「歌舞伎座を引き立てる」という。

 俳優協会会長の中村芝翫(しかん)さんは外観図発表にあたり、「歌舞伎はもともと、戦国の世が終わり、平和になった世の中で鎮魂(ちんこん)を念じ、生きる喜びを謳歌(おうか)するために生まれたといわれる。どのような時代にあっても、芸術文化の灯を絶やしてはならない」とし、一方で松竹と共同で被災地支援も続けていくという。

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