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銀座G8で「へたうま」作家・河村要助さん個展-600点一堂に

日本初の本格的グラフィックマガジン「太陽」(1978年)に掲載した金太郎飴イラスト「Products of Japan」

日本初の本格的グラフィックマガジン「太陽」(1978年)に掲載した金太郎飴イラスト「Products of Japan」

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 「へたうま」で知られるイラストレーターの一人・河村要助さんの個展「伝説のイラストレーター 河村要助の真実」が現在、クリエイションギャラリーG8(中央区銀座8、TEL 03-3575-6918)で開催されている。

「NEW MUSIC MAGAZINE」表紙に描かれたパティ・スミスさんのイラスト

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 1944(昭和19)年生まれの河村さんは、東京芸術大学美術学部を卒業後グラフィックデザイナーとして西武百貨店やパルコなどの広告を制作。1970(昭和45)年には矢吹申彦さん、湯村輝彦さんとともにデザイングループ「100%スタジオ」を結成。翌年にイラストレーターとして独立し、「話の特集」「MUSIC MAGAZINE」(旧「NEW MUSIC MAGAZINE」)など当時の若者文化を代表する雑誌の表紙や挿絵を担当した。

 一見すると「下手」だが、それが個性や味として評価されるイラストジャンル「へたうま」の代表的なクリエーターとして知られる河村さん。リアリティーを追求した「スーパーリアル・イラスト」が主流だった1960年代後半、湯村さんらとともに登場して人気を博し、日本のイラスト史における一時代を築いてきた。文筆家としては、サルサを中心としたラテン音楽、ジャズなどに関する評論・エッセーに定評がある。

 東日本大震災の影響や作品の許諾確認などの問題で当初の予定から約1カ月遅れた4月23日に始まった同展。会場では、「ミュージックマガジン」「バッドニュース」の表紙用に描いたミュージシャンのイラストや、ニッカ「黒の、50」やJRAなどの広告作品、初公開となる中学、高校時代のノート、美大時代の習作など、予定の2倍にあたる約600点の作品を一堂に紹介している。

 G8広報担当の小高真紀子さんは「河村さんの作品に懸ける圧倒的なエネルギーとボリュームを感じていただける内容。イラストレーターを志す方や若い人々に、エネルギッシュでポップな河村さんの仕事を見て、知ってもらえたら」と話す。

 開催時間は11時~19時。日曜・祝日休館。入場無料。5月20日まで。

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