「モナリザ」「真珠の耳飾りの少女」など、古典の名作に登場する人物を「能面」に仕立てる昆堂(びどう)さんの作品展「i-con(アイコン)」が現在、木挽町通りの現代アートギャラリー「メグミオギタギャラリー」(中央区銀座2、TEL 03-3248-3405)で開催されている。
1970(昭和45)年福岡生まれの昆堂さんは、桑沢デザイン研究所(渋谷区)卒業後の1992年より能面師・小川玄洞さんに師事し「毘堂」を拝命。能面師として独立して多くの面を手掛ける一方、2004年よりダ・ヴィンチの「モナリザ」やボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」など、西洋の古典絵画に登場する人物の顔をマスクに仕上げる活動を始めた。
面は単なる顔ではなく「人間やその置かれた状況全てを集約したもの」という毘堂さん。作品はヒノキを素材に、能面の技法、工程を経て完成させ、「古色」という能面特有のエイジング技法を使って原作に見られるひび割れや傷なども再現する。
マスクはアンティークの額を用いて飛び出すように額装。「モナリザ」、モジリアニが描いた妻「ジャンヌ・ エビュテルヌ」、クリムトが恋人をモデルに描いた「接吻」の女性など、幅広い時代、作風の西洋絵画に加え、長谷川等伯が「枯木猿猴図」で描いたサルをモチーフにしたマスクなど、会場には未発表作品や新作など7点が並ぶ。
開催時間は11時~19時。日曜・月曜・祝日定休。5月28日まで。