銀座5丁目から8丁目までのバー14店で7月より、16時~17時に開店時間を繰り上げる共同企画「銀座サマータイム・バー」が行われている。
発起人は三原通り沿いのバー「BAR 酒仙堂(しゅせんどう)」(中央区銀座6)店主の樋渡洋さん。2001年に創業した同店では、2008年のリーマン・ショック以降「年々遅い時間のお客さんが減ってきた」と樋渡さん。加えて震災以降は売り上げが約75%にまで落ち込んだことが「背中を押し」、「節電の影響で退社時間が早くなった会社員」「定年を迎える団塊の世代」などの新規顧客獲得を目指してサマータイムの導入を決めた。
企画に参加するバーを募ったのは、「銀座自体にお客さんが減っていて、街に活気がない」との思いから。「銀座ではもともとバーテンダーの横のつながりは強い」といい、一緒にワインを飲んだり店を行き来したりするバーテンダー仲間に声を掛けていった。
参加店は、いずれも単独店舗経営の小規模店で、うち2店はもともとサマータイムの導入を決めていたという。月曜~土曜の開店時間は、「酒仙堂」「BAR-4019-GINZA」「BAR Bond Street」(以上、銀座6)・「フランジェリコ」(銀座8)=16時、「Bar Kyu」(銀座7)=16時30分、「Bar Ladybird」(銀座5)・「しぇりークラブ」「THE BAR みうら」(以上、銀座6)・「BAR TALISKER」(銀座7)・「BAR AVANTI」「Bar 山下」「Ginza Zenith」「BAR エルロン」「Bar Chase」(以上、銀座8)=17時(THE BAR みうらは土曜を除く)。
銀座では15年ほど前まで「待ち合わせや食前酒利用などで早い時間に営業するバーも多かった」と樋渡さん。サマータイムの導入で、「銀座のバーが昔に戻っているようだ」と話すバーテンダーもおり、1日からスタートして現在まで客足は「多いときで3組くらい」と好評。電話での問い合わせもあり、「ニーズを感じている」という。
「明るいうちから飲むお酒は格別においしい。大手町や丸の内で働く人たちに、早く仕事を終えても『銀座だったら飲めるだろう』と足を向けてもらえれば」