![競りを待つマグロがずらりと並ぶ「生鮮マグロ卸売場」](https://images.keizai.biz/ginza_keizai/headline/1325735748_photo.jpg)
築地・中央卸売市場(中央区築地5)で1月5日、今年の初市が開かれ、青森県大間産クロマグロが過去最高額の5,649万円(1キロ当たり21万円)で競り落とされた。
国内外でマグロ消費が高まる一方、国際的な漁獲規制もあって入荷量は減少傾向にある生鮮マグロ。昨年の初競りでは銀座の高級店「久兵衛」と、国内や香港でチェーン展開する「板前寿司」が折半し、北海道・戸井産マグロ(342キロ)を過去最高額の3,249万円(同9万5,000円)で落札されたことが話題を集めた。
最高級マグロの産地として知られる大間では、昨年の「リベンジ」として初出漁をこれまでの6日から4日に繰り上げ。ここで捕獲された1本269キロのクロマグロが、昨年額を大きく上回る5,649万円を記録した。
競り落としたのはすしチェーン「すしざんまい」を展開する喜代村(きよむら、築地4)。「(すしざんまい)は築地を中心に店を展開している。地元の企業として、一番のマグロを地元で食べてもらい」(喜代村広報担当者)との思いで落札したといい、握りずし1個を、大トロ=418円、中トロ=313円、赤身=134円の通常価格で提供するという。
新年のあいさつでは「昨年は、東日本大震災が日本の有数の漁業基地を襲った忘れられない一年となった」と東京魚市場大物業界の伴忠夫会長。「円高、TPP問題、消費増税、デフレなど、問題はまだ進展せずに大波乱の予感もあるが、多くの仲間と共に夢のある次の世代に誇れる市場を作っていきたい」と抱負を述べた。