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宮城県の被災者100人、銀座でミュージカル-被災体験を本人が再現

東松島高校体育館での練習風景

東松島高校体育館での練習風景

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 中央区立中央会館「銀座ブロッサム」(中央区銀座2)で3月18日、東日本大震災の被災者100人が歌って踊るミュージカル「とびだす100通りのありがとう!」が上演される。

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 主催は石巻市、東松島市で被災した主婦を中心にした「ありがとうを言いに行こう♪プロジェクト」実行委員会。委員長を務める前谷ヤイ子さんは東松島市野蒜(のびる)地区出身で、現在は仮設住宅に暮らす。東日本大震災で被災し、5月に東京小平で作曲、ミュージカル演出などを行う寺本建雄さん宅に家族で1カ月間避難した。

 ヤイ子さんの夫・ひろしさんと寺本さんとは「古いミュージシャン仲間」で、「被災者が演じるミュージカル」はその時期に寺本さんが発案した。「声を出して歌えば元気になれる」「今も支援してくれる日本中、世界中の人々に直接ありがとうを言いたい」との思いで賛同者120人を集め、宮城県に住む3歳~82歳の男女が生まれて初めてのミュージカルに取り組む。

 脚本、楽曲は寺本さんが制作した。参加者に震災体験を取材して各エピソードを盛り込んだ内容で、舞台ではそれぞれの体験を被災者本人が再現。地震の翌朝にコンビニで乾麺を買ってみんなで割り分けた女子高生の話など、「報道では伝えられない生の声」を伝える。「みやぎ名物アイウエおんど」「サンマとるうた」「少し無理して歩き出すさ」などの楽曲も盛り込み、歌と踊りでステージを盛り上げる。「謝恩会後の浴衣姿」「マフラー替わりのカーテン」など、被災当日のそれぞれの衣装や、支援物資として送られた洋服をリメークしたファッションショーも披露する予定。

 出演者は現在、東松島高校体育館で毎週土曜・日曜の練習に取り組む。仕上がり具合は「まだまだこれから」というが、「歌を歌うと元気になる」という参加者の声もあるという。同ミュージカルを支援する東京の会事務局の祖父江真奈さんは「被災された皆さんに、モノではなくコトを支援したいという思いがある。ミュージカル体験が『始まりの一歩』を踏み出すきっかけになればうれしく、その過程に寄り添っていきたい」と話す。「ミュージカルで語られるのは、ごまかしもまやかしもない被災者たちの生の叫び。舞台を通して東京の人たちに共感や愛情を感じていただき、それが被災地支援のきっかけになれば」とも。

 開演は13時30分と16時30分の2回。入場料は4,000円で、チケット購入には事前の申し込みが必要。詳しくはホームページで確認できる。問い合わせは東京の会事務局(TEL 03-5604-5572)まで。

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