全身コーディネートで5,000円以下－ファーストリテイリング（山口県山口市）の子会社で「ユニクロ価格の半額」を目標に据えるジーユー（港区）の旗艦店「ジーユー銀座店」（中央区銀座5、TEL 03-6255-6141）が3月30日、銀座・中央通りに開業した。

銀座4丁目交差点のすぐそば、ソフトバンク銀座店隣に開業した「ジーユー銀座店」

　曇り空が広がる同日午前、店頭には開店前から集まった来店客が列を作った。店頭では柚木治ジーユー社長、上田豊店長らが登壇しテープカット。カウントダウンが行われ、通常営業時間より1時間早い10時に開店を迎えると、高校生やカップル、子ども連れなど幅広い年齢層の男女が店内へと流れ込んだ。

　売り場面積は約450坪で、旗艦1号店「ジーユー心斎橋店」（大阪市中央区）の約500坪に続く2番目の規模。都内では池袋店に続く2店舗目の旗艦店となる。ファーストリテイリングでは今月16日に約100メートル南の中央通り沿いにグローバル旗艦店「ユニクロ銀座店」を出店。心斎橋店、池袋店と同様にユニクロとのエリア2店舗体制を「勝ちパターン」（柚木社長）として、激化する銀座のアパレル商戦に初参入した。

　場所は今年1月まで「ユニクロ銀座店」ウィメンズ館が営業した「銀座ワシントンビル」。1階～5階の5フロア構成で、店内にはフルラインの商品を展開するほか同店先行販売品もそろえる。1階～2階が女性向けフロアで、3階は女性用ルームウエア、ランジェリー、キッズ商品をラインアップ。4階では男女向けのスポーツウエアを、5階ではメンズファッションを取り扱う。

　990円のジーンズ、490円のアクセサリー、590円のタンクトップなど、ユニクロの半額以下の価格が特徴で、「ほぼ全てのものが990円以内でそろう」。価格の秘訣（ひけつ）は「品番を絞り込み、トレンドの『ど真ん中』の商品を打ち出すこと」「汎用（はんよう）素材を安く探してくること」など。加えて商品はほぼ全てハンガーに掛けてレイアウトすることで「洋服を畳む」作業を省略。可動式の新什器や回収しやすい新ハンガーの導入も合わせ、さらなる運用効率アップを目指す。一方、ニーズに応じて商品やトレンド情報を紹介するスタッフ「おしゃリスタ」も初めて導入。

　「銀座はこれまで老舗、高級店が集まる『大人の街』とされてきたが、今はあらゆる人が集まる『最も気分の上がる』場所」と柚木社長。「市場最低価格」をメッセージに、銀座出店を通して「国内でのブランドポジションの確立」を目指す。2014年をめどに海外1号店を出店予定といい、「国体で大成功を収めて世界の舞台への挑戦権をつかみたい」とも。

　商品の一部は、4月1日までオープン特別価格で販売。営業時間は11時～21時（4月1日までは10時～）。