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無印良品有楽町で震災がれきのアート展-石巻の子どもたちが避難所で制作

新村則人さんがアートディレクションを手掛ける「コドモのチカラ展」

新村則人さんがアートディレクションを手掛ける「コドモのチカラ展」

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 「無印良品有楽町」(千代田区丸の内3、TEL 03-5208-8241)で6月15日から、宮城県石巻市の子どもたちががれきを使って制作したオブジェを並べる企画展「コドモのチカラ展」が開催されている。

イクラ屋さっちゃん

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 作品は昨年4月、石巻市立渡波(わたのは)小学校で制作されたもの。震災当日は2メートルの津波に襲われ、校庭には家屋や車が積み重なったという同小は、昨年10月まで避難所として機能。ピーク時には1600人が避難生活を送った。

 ワタノハスマイル(山形県山形市)では、昨年3月下旬に同小を拠点に「避難所に遊ぶスペースを作り、子どもたちと遊ぶ」目的でボランティア活動を開始。オブジェは同活動の一環で、当時避難所に身を寄せていた小学校2年生から中学校2年生までの子どもたち約20人が、校庭に流れ着いたがれきを使って作り上げた。

 同団体は昨年10月中旬までこの活動を続ける一方で、「子どもたちが作った作品が『復興のシンボル』になるのでは」「震災でのがれきはごみとして処理するには莫大(ばくだい)な費用がかかる。がれきから何かを生み出せれば」との思いで「ワタノハスマイルプロジェクト」を立ち上げた。昨年4月末から同オブジェの展示を開始し、これまでに全国14カ所を巡回。今年3月末から4月にかけてはイタリアでも展示した。

 同店では2階展示スペース「ATELIER MUJI」を会場に、80点を展示。イクラを入れる木箱を胴体に見立てた「イクラ屋さっちゃん」、黄色い漏斗(ろうと)にスーツを描き込んだ「サラリーマン」、赤い三角コーンをかぶった「ブリキくん」など、子どもたちが自由な発想と表現力で生み出した作品を一堂に紹介している。

 合わせて親子で参加できるワークショップとして、ワタノハスマイル代表の犬飼ともさんによる「いらなくなったものでオブジェを作ろう」(7月15日)、深沢アート研究所による「紙コップ10000コでつくる時間」(同22日)、同展のアートディレクションを手掛けた新村則人さんによる「植物の葉っぱを紙に写しとろう」(同28日)を開催。定員は各10組。参加無料、要事前予約。

 同店では今年9月の子ども向け売り場リニューアルを前に、親子参加型の夏休み企画を展開。同展に引き続き、8月には「地球と人間(仮)」と題した企画展を予定する。「夏休みの間、大人と子どもが相互に学び合う関係、環境を提案していきたい。展示を通して新たな発見や好奇心を刺激するような体験をお伝えしていければ」(アトリエムジ永田貴大さん)。

 開場時間は10時~21時。入場無料。7月29日まで。

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