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原爆被爆した1本の木をめぐる18年-銀座で「柿の木プロジェクト」展

会場には幹に見立てたネットに来場者からのメッセージを募る

会場には幹に見立てたネットに来場者からのメッセージを募る

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 長崎の原爆投下で被爆した柿の木からの「2世」の苗木を世界各地に植樹する「時の蘇生(そせい)・柿の木プロジェクト」の活動を振り返る企画展「KAKI STORY 1995-2012-つながる・ひろがる柿の木の旅-」が7月27日、銀座「BLD GALLERY」(中央区銀座2、TEL 03-5524-3903)で始まった。

植樹活動を振り返る写真もズラリ

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 「1世」の柿の木は長崎の爆心地から900メートル離れた場所に生育し、半身を黒焦げにしながら奇跡的に生き残ったもの。樹木医の海老沼正幸さんが治療を施し、1994年に種子を取り出して「2世」を生育。この苗木を「平和の象徴」として、子どもたちに配る活動を始めた。

 その後、現代美術家・宮島達男さんが取材で長崎に赴いた際に海老沼さんと知り合いに。「アートとして柿の木の活動を応援したい」との思いから1996年に同プロジェクトを設立した。

 これまで日本を中心に、ヨーロッパ各国、韓国、アメリカなど22カ国で植樹。「2世柿の木」は現在までに、世界の保育園・小中学校・美術館・公園など、198カ所で見ることができる。

 これまでの18年間の活動を振り返る同展。会場では各国の子どもたちが柿の木を植える様子を捉えた写真や、子どもたちがワークショップで描いた柿の木の絵、立体などを展示。中央には幹をモチーフに天井までネットを張り、来場者から「柿の実」に見立てたメモ用紙にメッセージを募っている。

 期間中、トークイベントや子どもたちを対象にしたワークショップも実施。トークイベントでは、宮島さんと現代美術家のヤノベケンジさん、資生堂ギャラリー学芸員の樋口昌樹さんによる「ステートメントとコミットメント」(8月5日17時~19時)、宮島さんと放送作家の小山薫堂さんによる「“ミライノケシキ”の作り方」(同9日19時~21時)、宮島さんとアーティストの日比野克彦さん、東京アートポイント計画ディレクターの森司さんによる「逸脱・対峙(たいじ)・拡張するアート」(同25日19時~21時)を予定する。以上、料金は1,000円。各回とも先着予約50人。

 開催時間は11時~19時。入場無料。9月2日まで。 

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