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日比谷で新藤兼人追悼映画祭-「ヒロシマ」テーマに遺作含め5作品上映

新藤兼人監督

新藤兼人監督

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 日比谷図書文化館(千代田区日比谷公園、TEL 03-3502-3340)では広島平和記念日の8月6日より、享年100歳で今年5月に逝去した広島出身の映画監督・新藤兼人さんの作品を上映する追悼映画祭を実施する。

初公開から60周年を迎える「原爆の子」(1952年)

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 1912(明治45)年生まれの新藤監督は1934(昭和9)年に京都・新興キネマで働き始める。溝口健二監督に師事し、シナリオ執筆をスタート。1944(昭和19)年に松竹大船撮影所脚本部に移籍するも同年4月に招集され、翌年に終戦を経験した。その後は脚本家として活躍し、1950(昭和25)年に吉村公三郎さん、殿山泰司さんらと独立プロ「近代映画協会」を設立。翌1951(昭和26)年、「愛妻物語」で念願の監督デビューを果たし、生涯49作の映画を監督した。

 広島へ原爆が投下された日で、遺作「一枚のハガキ」公開から1周年を迎える8月6日から3日間にわたって開催する映画祭。今年5月29日に100歳で逝去した新藤監督の功績をしのび、60年以上にわたって描き続けてきた「ヒロシマ」をテーマに5作品を上映する。

 上映するのは、後に妻となった女優・乙羽信子さんが主演する反核映画で、各国で物議を醸した「原爆の子」(1952年)、セリフのない実験的な作品で、少人数のスタッフ、低予算による日本のインディペンデント映画の先駆けとなった「裸の島」(1960年)、日本映画の巨匠・溝口健二と一緒に仕事をした39人の俳優・スタッフ・友人に自らインタビューしたドキュメンタリー「ある映画監督の生涯 溝口健二の記録」(1975年)、人間の老いと死を見つめ、乙羽さんの遺作となった「午後の遺言状」(1995年)、「映画人生最後の作品」という思いで手掛けた「一枚のハガキ」(2011年)の5作品。

 同映画祭と連動して同館4階小ホールで8月1日~同9日、写真展「1945、ヒロシマから現代の子どもたちへ」の開催も。広島平和記念資料館から提供された原爆被害の写真、映画「原爆の子」のスチール写真などを展示する。入場無料。

 上映プログラムの詳細は同館ホームページで確認できる。8月8日には映画評論家・佐藤忠男さんによる講演会「新藤兼人と映画」も19時から予定。

 料金は、事前予約=1,000円、当日=1,500円(8月8日19時からの回は500円追加)。申し込み方法はホームページから確認できる。

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