松坂屋銀座店(中央区銀座6、TEL 03-3572-1111)別館が8月31日、「銀座六丁目10地区における都市再生特別地区の都市計画」の一環として約40年の営業に幕を閉じる。
中央通り沿いに構える松坂屋銀座店は、1924(大正13)年に竣工した銀座で最も古い百貨店。別館は1972(昭和47)年、本館の東側・みゆき通りを挟んだ一角に開設。地下2階から地上6階までの8フロアで構成し、延べ床面積は4125平方メートル。地下2階には本館との連絡通路を、地下1階には地下鉄連絡口として銀座コアビルとの連絡通路を設ける。
営業終了は、本館所在地を含めた6丁目10番、11番の約1.4ヘクタールを対象にした都市再開発計画に伴うもの。再開発案では中央通りに面した約9000平方メートルの敷地に、地上12階、地下6階の新施設を建設する計画で、本館でも来年の解体工事着工に向けてキャンペーンなどが進んでいる。
別館では、レディスアパレル「ナチュラルビューティーベーシック」が路面営業するほか、ビヤホール「ブラッスリー銀座ライオン」(2階)やカルチャースクール「カトレヤレディススクール」(6階)など幅広い業態が出店。3階「芝山美容院」は1952(昭和27)年に全身美容サロン「サロン・ド・ボーテ」としてオープンして注目を集めた店。4階「美術画廊」は当時のアーティストにとって「この場所で個展を開くことがステータスだった」という。
別館について、松坂屋銀座店PR広報の宮川香織さんは「百貨店の中でも時代の最先端の取り組みを行い歴史を築いてきた」と振り返る。「閉店は非常に残念で寂しい。長年通ってごひいきにしていただいたお客さまからも、そうした声を頂いている」とも。
閉館日は今月31日。残り4日間の営業では、各店が個別に「さよならセール」を実施。閉館に伴って、地下1階・2階の各連絡通路も閉鎖する。営業時間は10時30分~20時。