年明け1月2日の初売りに備え、松屋銀座(中央区銀座3、TEL 03-3567-1211)では目玉企画「福袋」の詰め込み作業が佳境を迎えている。
商業施設の福袋市場では、かつては「売れ残り商品」を詰め込んで「お得感」をアピールする袋が主流だったが、近年は体験型福袋、施設同士のコラボ福袋など独自企画を盛り込んだ福袋が次々と登場。銀座エリアは同施設のほか、銀座三越、松坂屋銀座店、プランタン銀座など商業施設が集積する福袋激戦区として、今年の初売りにも早朝から来街者が各店頭に行列。大量の福袋を手に施設を「はしご」する姿も多かった。
松屋では1907(明治41)年に初めて福袋を発売して以来、「新年の楽しみ、喜びを伝えていきたい」という思いで毎年取り組む。「年々期待感が高まっている」という福袋市場に向けて、今年は夏から福袋構想をスタート。館内ブランド以外の商品の仕入れや、福袋用オリジナル商品の開発などにも取り組み、各ブランドショップのものを含めて全館で扱う福袋は3万個に及ぶ。
今年のテーマは「度肝を抜く」。目玉は来年の干支(えと)である巳(み)にちなんでトータルコーディネートアイテム10点に食事券を付けた「ヘビー(巳)だろぉ!?盛り込みスギぢゃん福袋」(2万円、限定40個)や、今年流行した「街コン」利用者へ向けてワンピースやアクセサリーなどフェミニンな商品に街コン参加チケットを盛り込んだ「Let's街コン!!」(2万円、限定20個)など。
現在は福袋用の商品が全て出そろい、館内・倉庫などで詰め込み作業を進めている段階。倉庫では集まった商品を一堂に並べ、コートやスカートなどをコーディネートしながら次々と袋に収めている。真っ赤な袋の表には「2013」の文字を大きく記載。ワゴンに山積みされ、約1週間後に迫った初売り商戦への出番を待つ。
詰め込み作業は30日までに完了予定。31日に今年最後の営業を終えると、館内は一斉に年始用装飾に「衣替え」し、福袋を並べる作業に取り掛かる。今年1月2日の初売りに向けて、最初の客が店頭に並んだのは前年の12月31日16時30分ごろ。列は開店前までに6000人に及び、開店から1分52秒で一番人気の福袋70個が完売した。
「福袋は新しい年の到来を伝える縁起物の商品。松屋の名物として、商品を通して年始の喜び、楽しみを伝えていきたい」と総務部広報課の小笠原由佳さん。
初売りは1月2日9時30分から。