松屋銀座で「観世宗家」展-世阿弥直筆の「風姿花伝」原本も

約130点の資料を一挙に公開

約130点の資料を一挙に公開

  • 0

  •  

 能舞台でしか見ることができない伝来の能面や装束など、約700年の歴史を持つ観世宗家の貴重な資料を展示する企画展「風姿花伝 観世宗家展」が現在、松屋銀座(中央区銀座3、TEL 03-3567-1211)で開催されている。

幽玄な雰囲気に包まれた展示風景

[広告]

 世阿弥(ぜあみ)は、南北朝時代に観世流を起こした父・観阿弥(かんあみ)とともに「猿楽」に貴族文化を取り込みながら大成し、「能」という芸能として深め洗練させた。観世宗家は、その観阿弥・世阿弥の精神を受け継ぎ、1990年に観世清和さんが26世宗家を継承。国内外での公演、「箱崎」などの復曲、「利休」などの新作能にも意欲的に取り組む。

 松屋銀座では毎年、年始に合わせて「日本の文化」を紹介する企画展を開催。2013年は観阿弥生誕680年、世阿弥生誕650年の記念の年で、2018年には三世太夫音阿弥の生誕620年を控える。この6年間を「室町文化祭」として関連企画を実施予定で、同展はキーイベントに位置付ける。

 会場では、観世宗家伝来の能面、能装束など、重要美術品を含む歴史的資料約130点を展示。日本最古の能楽論「風姿花伝」、その原本である世阿弥直筆の「花伝第六花修」、「花伝第七別紙口伝」など約20点の文献資料、「重要美術品」を含めた約40点の能面、東照神君徳川家康から拝領したものを含む約40点の能装束、能の舞台に登場する人物画所持する「扇」や、能装束の一部である「帯」など約30点を展示する。

 展示に当たり、清和さんは「貴重な資料を広く見ていただくことで、能楽の普及、発展に寄与することができれば」といい、「700年の時を超えて受け継がれてきた伝来品を更に後世へと守り抜き、伝えていきたい」と話す。

 開催時間は10時~20時(最終日は17時まで、2日は9時30分~19時30分、7日は展示替えにつき18時まで)。1月1日は休業。当日券は、一般=1,000円、高・大学生=700円、中学生以下無料。1月21日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース