従来の演劇の概念を覆す存在として国内外で注目を集める演劇カンパニー「チェルフィッチュ」による初の本格的な展覧会「チェルフィッチュ個展」が1月22日、クリエイションギャラリーG8（中央区銀座8、TEL 03-6835-2260）で始まる。

「フリータイム」舞台風景

　岡田利規さんが全作品の脚本と演出を手掛ける演劇カンパニーとして1997年に設立したチェルフィッチュ。2003年にはG8の姉妹ギャラリーである「ガーディアン・ガーデン」で開催した公募制演劇フェスティバル（現在休止中）に参加し、2005年に第49回岸田國士戯曲賞を受賞した記念的作品「三月の5日間」を初演。若者言葉によるせりふや、日常の所作を誇張したような身体表現など独自の表現方法が特徴で、以降アートの分野や海外公演などへと活躍の場を広げていった。2011年には「ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶」が、モントリオール（カナダ）の演劇批評家協会・批評家賞を受賞。

　「より遠くに行ける可能性のある作品」を生み出すため、ある方法論を持ちつつその方法論をそれ以上「引き寄せないように、それをいつまでもつかんでいないように、すぐに手放すように」心がけるという独自の方法論で演劇を実践。同展では、公演ポスター、チラシなどのグラフィックや舞台写真などで現在までの活動を振り返りながら、岡田さんの言葉、役者たち、舞台美術、照明といった、チェルフィッチュの世界を作り上げる各要素にフォーカス。新作公演を重ねるごとに新しい方法論を生み出し続ける活動を、舞台鑑賞とは違った視点で紹介する。

　開催時間は11時～19時。日曜・祝日休館。入場無料。2月14日まで。