「俺の」シリーズ新業態2号店で、ミシュラン3つ星日本料理店「麻布幸村」出身の料理人・島田博司さんが総料理長を務める「俺の割烹銀座本店」（中央区銀座8、TEL 03-6280-6948）が3月15日、オープンした。

子羊味噌鍬焼き（1,280円）

　運営はバリュークリエイト（銀座8）。「飲食業界の価格破壊」をうたい、星付き店などに務めた料理人を集めた「俺のシリーズ」は2011年9月、新橋に「俺のイタリアン」をオープンしたのを皮切りにスタート。これまで都内を拠点に「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」を計10店舗、「俺のやきとり」「俺の焼肉屋」を各1店舗出店し、いずれも行列のできる人気店へと成長した。

　日本料理業態では、昨年ミシュランで2つ星を獲得した高級和食「銀座 おかもと」、立ち飲み日本料理「しまだ」などを展開。いずれも店主の名を冠した個人店スタイルで経営し、「割烹では『価格破壊』への抵抗感が強く、『俺の』シリーズ化は見込んでいなかった」と常務の安田道男さん。その後「俺の」各店の急成長を受けて「この業態でも人材が集まってきた」ことから今年2月、初進出となった福岡市に立ち飲み日本料理の新業態「俺の割烹」1号店をオープンした。

　同業態2号店で、本店に位置付ける同店。総料理長はミシュラン3つ星の日本料理店「麻布 幸村」に務めた島田博司さんで、昨年1月からは同社が経営する立ち飲み日本料理店「銀座しまだ」を人気店へと成長させた人物。ほかにミシュラン2つ星店「菊乃井赤坂店」で料理長を務めた小野山英治さん、1つ星店「銀座うち山」で2番手を務めた駒板邦明さんらが脇を固める。

　場所は、「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」計4店舗が集積する銀座8丁目で、もともと「葱や平吉 銀座店」が店を構えたビルの1階・2階。店舗面積は58.5坪で、1階には立ち席37席、2階には立ち席31席、座り席35席を用意。2階座り席のみ、事前予約を受付ける。

　定番メニューはカニの比率の多さが特徴のカニクリームコロッケ（500円）、「鯖寿司」（680円）、「子羊味噌鍬焼き」（1,280円）、おでん盛り合わせ（各380円～）など。ほかに和風アクアパッツァなど仕入れによって日替わりメニューも多く展開する。コース料理などのようにメニューを固定せず、「その日に安く仕入れたもの」を「余すところなく調理する」のが、低コストの秘訣（ひけつ）という。

　ドリンクはワインを中心にラインアップ。グラスワイン（500円）のほか、ボトルワインは常時50種程度そろえ、日本酒もワイングラス（純米酒、120cc、600円～）やコップ（180cc、500円）で提供する。想定客単価は3,000円～4,000円。

　出店を加速する俺シリーズについて「私の会社は社員第一主義、お客さま第二主義」と坂本孝社長。「料理人の魂を持って、左手には損益計算書を携えた経営者が多く仲間に入ってきた」と笑顔で話し、「この店がうまく行ったら、次はニューヨーク。行くぞニューヨーク！」と展望を語る。

　営業時間は16時～23時。