銀座のスパンアートギャラリー(中央区銀座2、TEL 03-5524-3060)で7月9日、グループ展「昭和ノスタルジー幻想」が始まった。
同展は、同ギャラリーの種村品麻さんの「昭和を懐古するとは、どういうことか?」という疑問から生まれたもの。
参加作家は、前衛的なパフォーマンスやブリキによる彫刻作品で知られる秋山祐徳太子さん、耽美(たんび)的な漫画やイラストで国内外にファンの多い丸尾末広さん、「夢幻紳士」シリーズなどの作品を発表している漫画家の高橋葉介さん、「ルポルタージュ絵画」の代表的な作家の一人である中村宏さん、妖怪のイラストを多く手掛け、京極夏彦さんらの書籍の装丁画にも作品が取り上げられている石黒亜矢子さん、ホラー・怪奇漫画家の日野日出志さん、児嶋都さんなど10人。
会場では、秋山さんの「ダリコ像」「ラビットバロン」などの立体作品や、中村さんの「現代詩手帖」販売促進用ポスター、高橋さんの描き下ろし作品「腸詰工場の少女」、日野さんの漫画「蛆蛇」の原稿12枚、丸尾さんの「伊藤彦造へのオマージュ」など、計27点を展示。
「『昭和』は戦争や高度経済成長、バブルなどさまざまな出来事があり、まだ本当の『闇』が存在していた時代だったと思う。本展はただの懐古主義ではなく、その裏にある薄暗い闇を描く作家の視点を通して、当ギャラリーなりの『昭和ノスタルジー』を検証するもの」と種村さん。「漫画原稿、立体作品、販売促進用ポスターなど、ジャンルを横断した展示内容になっていると思う」とも。
開廊時間は11時~19時(最終日は17時まで)。日曜休廊。入場無料。今月20日まで。