銀座、教文館(中央区銀座4)9階のウェンライトホールで「こねこのぴっち 絵本原画展 ハンス・フィッシャー メルヘンの国のマイスター」が開催されている。
ハンス・フィッシャーさんはスイス・ベルン生まれで、壁画、版画、教科書の挿絵、舞台美術などを手掛けた芸術家。3人の子どもたちのために描いた絵本が出版され、絵本作家として高い評価を得た。本展のタイトルにもなっている「こねこのぴっち」は、日本では1954(昭和29)年に石井桃子さんの翻訳で出版され、世代を超えて愛読されている。
同展では「こねこのぴっち」の絵本原画をはじめ、「たんじょうび」「ブレーメンの音楽隊」「長ぐつをはいたねこ」「チューリッヒ州教科書の挿絵」など約100点を展示。
期間中には作家でドイツ文学者の天沼春樹さんらによる講演会も開催されるほか、フィッシャーさんの絵本の読み聞かせ会や同館展示担当者によるギャラリートークも。
「教文館 子どもの本のみせ ナルニア国」の八巻聡子さんは、「ハンス・フィッシャー作品は、子どもが想像力を広げ、物語の中にたっぷりと入っていけるようなものばかり。『子どもの教科書や小学校の壁画は、画家の満足のためのものではなく、子どもの喜びのためのものだ』という言葉からも分かるように、彼は子どもの目、子どもの心を忘れなかった画家だったのかもしれない。今後も世代を超えて読み継がれていってほしい」と話す。
開館時間は11時~19時(最終日は17時まで)。入場料は大人=800円、大・専門学校生=500円、高校生以下=100円、幼児無料。8月25日まで。講演会などイベントの詳細については同館ホームページで確認できる。