松屋銀座(中央区銀座3)で8月 28日、「生誕 90年 池波正太郎展」が始まった。
時代小説の作家として知られる池波正太郎さんは 1923(大正 12)年、浅草生まれ。小学校を卒業後、株式仲買店で働き始め、その後、海軍に入隊。終戦後は区役所などでの勤務を経て劇作家となり、1960(昭和35)年には「錯乱」で第43回直木賞を受賞。1990年に亡くなった後も、作品は多くの人に読み継がれている。
食や映画、旅などをテーマとしたエッセーも多く手掛け、「散歩のとき何か食べたくなって」では、少年店員時代の銀座・資生堂パーラーの思い出について1章を割くなど、銀座とも縁が深い。
同展は「作家 池波正太郎」「池波作品の世界」「池波流人生の磨き方」の「3章」で構成。「作家 池波正太郎」では、池波さんが執筆していた書斎を再現。愛用の机や椅子、約 580冊におよぶ著作、関連本のほか、直筆原稿、手作りの文集、取材ノート、手帳、スクラップブックなどを展示。多数の初公開資料も含まれる。
「池波作品の世界」では、テレビ、映画、舞台化された代表作「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」などから選んだ名場面で実際に使用されていた大道具、小道具、衣装、台本などを立体的に展示。「鬼平犯科帳」の劇中に登場した小料理屋「五鉄」や「剣客商売」の縁側のセットなどもある。
「池波流人生の磨き方」では、直筆の絵画作品やカメラ、パイプ、万年筆などの池波さんの愛用品を展示。貴重な生前のインタビューも映像展示される。
開館時間は10時~20時(最終日は17時まで)。入場料は、一般=1,000円、大学・高校生=700円、中学生以下無料。9月9日まで。