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「歌舞伎は旅する大使館」-歌舞伎海外公演の足跡振り返る

「歌舞伎は旅する大使館 <前期>海外公演、その輝かしい歩み」展の会場風景

「歌舞伎は旅する大使館 <前期>海外公演、その輝かしい歩み」展の会場風景

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 歌舞伎座タワー(中央区銀座4)5階の歌舞伎座ギャラリー(TEL 03-3545-6886)で現在、「歌舞伎は旅する大使館 <前期>海外公演、その輝かしい歩み」展が開催されている。

歌舞伎俳優とともに海に渡った「ボテ」

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 同ギャラリーは、歌舞伎を中心に日本の伝統文化の魅力を国境や世代を超えて発信することがコンセプト。今回の展示は、1978(昭和53)年オーストラリア公演の劇評の一節に由来する歌舞伎海外公演のキャッチフレーズ「歌舞伎は旅する大使館」を展覧会名に採用。松竹大谷図書館所蔵資料を中心に、86年間にわたる歌舞伎海外公演の足跡を前後半に分けて振り返る。

 現在開催中の「前期」では、1928(昭和3)年に当時のソ連で行われた第1回海外公演から、会場のオペラハウスが喝采で沸いたという1989年の第30回訪欧公演までに焦点を当て、現地パンフレットや劇評、スタッフが残したコメントなどを紹介する。

 会場には公演が行われた36カ国96都市の足跡を記した世界地図をはじめ、歌舞伎公演関係者と各国の要人や世界で活躍するアーティストたちとの交流風景や各国の劇場・客席の写真のほか、現地のポスターやパンフレット、新聞・雑誌の劇評などを年表形式にまとめた「年表1928-1989」、基本的な知識を一問一答形式で紹介する「海外公演十八問十八答」、歌舞伎俳優とともに海に渡った「ボテ(移動用の箱)」などを展示する。

 ギャラリー奥の木挽町ホールでは、第1回ソ連公演の上演演目の中から「京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)」「鳴神(なるかみ)」「鳥辺山(とりべやま)心中」の3作品の、舞台で使われている本物の衣装や小道具、かつらなどを展示するほか、歌舞伎研究の第一人者で1960年のアメリカ公演から文芸顧問として海外公演に同行した河竹登志夫さんによる、手記やプライベートショットを公開する。

 松竹演劇開発企画部・歌舞伎座ギャラリー室長の田野暦子(としこ)さんは「歌舞伎座ギャラリーは今年、一般的にあまり知られていない歌舞伎海外公演の全容を一年間にわたって採り上げる。初めて歌舞伎を見た世界の人々のさまざまな反応は本当に面白いので、ぜひ会場に足を運んでいただければ」と来場を呼び掛ける。

 開館時間は10時~18時。入場料は、一般=600円、小・中学生=500円、小学生未満無料ほか。8月24日まで(6月27日~7月1日は休館)。

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