富山県のアンテナショップ「いきいき富山館」(千代田区有楽町2、TEL 03-3213-1244)で6月16日、「味の笹義(ささよし)」(富山市)の職人による「ます寿(ず)し」の実演販売「特選ますの寿司をお届け」が始まった。
「いきいき富山館」で、ます寿しの実演販売をする「味の笹義」の安村徳満さん
期間中は「ます寿し」を作る過程を実演するほか、「ますの寿し」(1,400円)、今年3月に開通した北陸新幹線W7系の形を模したパッケージの「北陸新幹線ますの寿し」(1,600円)、肉厚に切ったますの腹身を使った「特撰(とくせん)ますの寿し」(1,900円)、「トロますの寿し」(1,100円)などを販売する。
「ます寿し」は薄い木の板で作られた「わっぱ(曲げ物)」の中に放射状に若笹を敷き詰め、その上に調味液に漬け込んだますの身と酢飯を乗せ、重しを乗せて寝かせた押しずしの一種。江戸中期の享保年間、富山藩3代目藩主・前田利興(としおき)が、将軍家へ献上する料理を考案するよう割烹(かっぽう)の術(=料理)にたけた武士・吉村新八に命じて作らせた「鮎(あゆ)のなれ寿し」がそのルーツといわれている。
その後、幕末から明治にかけて現在の「ます寿し」の原型が誕生。現在では、「とやまブランド」として認定されている老舗13店を含む40を超える店が「ます寿し」を製造・販売しており、同館でもいろいろなメーカーが実演販売を行っている。
同館物産・地酒アドバイザーの大谷洋子さんは「ます寿しにはますの味加減、酢飯の粘り、押しの加減などメーカーごとに独自の特徴があり、どれ一つとして同じ味はない」と話す。
「当館では実演販売イベント以外でも、年間を通して日替わりで20社を超えるメーカーからます寿しを入荷・販売している。店頭では入荷予定表を配布し、電話での取り置きも受け付けているので、ぜひ食べ比べをしてお気に入りの味を見つけてほしい」とも。
営業時間は10時~19時(日曜・祝日は18時まで)。「味の笹義」の実演販売は今月21日まで。