銀座7丁目の「シロタ画廊」(中央区銀座7)で現在、「山田彩加(あやか)展 -光の扉-」が開催されている。
山田さんは1985(昭和60)年、愛媛県今治市生まれ。
東京藝術大学絵画科油画専攻を卒業後、パリ国立美術学校への交換留学などを経て東京藝術大学大学院美術研究科博士課程を修了した。
個展・グループ展で作品を発表しながら、「日本版画協会第82回版画展準会員最優秀賞」など多くの賞を受賞し、今年は東京都美術館の「都美セレクション 新鋭美術家 2015」の5人の中の一人に最年少で選ばれた。
1966(昭和41)年創業の老舗で多くの版画作品を世に送り出してきた同画廊で個展を開催するのは昨年に続いて2回目。山田さんが現在、主な表現手法としているリトグラフ作品10点のほか、アクリル絵の具と鉛筆による直筆画5点を加えた15作品を展示・販売する。
作品のサイズは最少で16×13センチメートル、最大で92.5×72センチメートルで、販売価格は1万2,960円~14万400円。
個展初日は、作品を求める人が開廊前から同画廊を訪れ、直筆画はオープンから間もなく完売。複数のエディションを購入できるリトグラフも好調な売れ行きだ。
山田さんの制作コンセプトは「命の繋(つな)がり」。東京藝術大学に入学してすぐに「美術解剖学」の授業を履修した際、スライドに映し出された木の根の画像が「人体の毛細血管にそっくり」だと感じて衝撃を受けたことから「自然と人間との繋がり」を意識するようになったという。
「パリ留学の際はルーブル美術館に頻繁に通い、古典的な作品、技法にも影響を受けた」と山田さん。
同画廊の高嶋麻美子さんは「山田さんの作品の中の女性は美しいだけでなく、しっかりとしたテーマに沿って描かれている」と話す。
「緻密に描かれた女性の顔、人体組織、植物、昆虫、時計、月、波、金属などが見る人のイマジネーションを膨らませる山田彩加の作品世界を、ぜひ体験していただきたい」と来場を呼び掛ける。
開廊時間は11時~19時(最終日は17時まで)。日曜休廊。7月11日まで。