千代田区立日比谷図書文化館(千代田区日比谷公園1)4階特別研究室で現在、「雑誌『風俗画報』で楽しむ明治期の東京めぐり」が開催されている。
「風俗画報臨時増刊第163号」表紙「旧大名婦人行列和田倉門を入るの図」(1898 年)
「風俗画報」は1889(明治22)年から1916(大正5)年まで発行されたグラフ誌。同展では、同館特別研究室が所蔵する「風俗画報」の臨時増刊「新撰東京名所図会」を中心に図版パネル29点・解説パネル5点を展示し、明治大正期の東京を紹介する。「風俗画報」全517冊のうち、同研究室所蔵の53冊を手に取って見ることもできる。
同館事業企画運営部門特別研究室担当の内川由季子さんは「日本のグラフ誌の先駆けといえる『風俗画報』は、失われつつある江戸の面影や近代化により激変する明治期の記録を、絵画を使って後世に残すことを目的に発行されていただけに、細密な美しい彩色石版画やモノクロの挿絵は見応えがある。現在の様子と対比させてみるのも面白いのでは」と話す。
3月3日には、明治大学国際日本学部教授の吉田悦志さんを講師に招き、「日本のグラフ誌のさきがけ『風俗画報』誌上の江戸東京を歩く」と題した展示関連講座も開催する。参加費は1,000円、定員は60人。申し込み方法などの詳細はホームページで確認できる。
「同時期の東京紹介本として『徳川覇府江戸三十六門画帖』(清水三次郎編・画/東陽堂/1896年)、『都の華 全』(都新聞社/1897~1903年)なども併せて展示している」と内川さん。
開室時間は10時~20時(土曜は18時、日曜・祝日は16時まで)。2月15日休館。入場無料。3月20日まで。