松屋銀座(中央区銀座3、TEL 03-3567-1211)は5月23日、緑化された屋上の菜園に初の苗植えを行った。
同店が屋上緑化に踏み切ったのは5月20日。緑化はテレビ朝日(港区)の地球環境ドキュメンタリー番組「素敵な宇宙船地球号」が推進するプロジェクト「銀座グリーンプロジェクト」の考えに同店が賛同し、屋上を提供した。
同プロジェクトは、NPO法人「銀座ミツバチプロジェクト」(中央区銀座1)の「『都市と自然の共生』という理念に共鳴、さらに見える形として屋上緑化をし、花が咲きみつの採れる野菜を植え、ミツバチがやって来て受粉され実がなり、人が食べるという営みを作ろう」(同プロジェクト担当者)という考えから素敵な宇宙船地球号が今年3月に別途立ち上げたもの。銀座ミツバチプロジェクトの協力を得ながら、銀座での屋上緑化普及を目的としている。
屋上の緑化は5月20日夜から21日夕方にかけて実施され、約100平方メートルに芝生や花壇、菜園を設けた。土は、環境技術開発事業などを手がけるマサキ・エンヴェック(本社=長崎県)の、10センチの土厚で野菜も栽培可能で、300以上のビル屋上緑化やニューヨークの国連本部でも試用されている土「ルーフソイル」と、鋼材などの製造・販売を行う愛知製鋼(愛知県東海市)が開発した植物の光合成を促進する「鉄力あぐり」を混ぜ使用。
6月中旬並みの気温を記録した同日昼、同店屋上には同プロジェクト担当者や麦わら帽子をかぶった銀座ミツバチプロジェクトの高安和夫理事長、田中淳夫副理事長、メンバー、同店販売促進課・セクションマネージャーの前田泰志課長、愛知製鋼の笹本博彦工学博士、マサキ・エンヴェックの眞崎建次社長など約20人が参加。野菜はミツバチが好むみつを出すというシソ科の野菜を中心に、なす、きゅうり、イチゴなど約10種類、90株ほどを植えた。手入れは屋上緑化の技術指導などを行う、大江戸野菜研究会が担当する。
同店広報課の矢吹直子専任係長は屋上緑化について「とてもよいこと。雰囲気もよく環境保護にもつながり、『銀ぱちくん』にもプラスになる」と話し、銀座ミツバチプロジェクトの田中副理事は「ミツバチが飛ぶことで銀座に緑が増えるといいなと思っていたが、ここまでの動きになると思わなかった。ミツバチを通し、思いを寄せてくれた」と同プロジェクトの屋上緑化を歓迎した。
東京23区の緑化可能な屋上面積は約2,300ヘクタールで、現在緑化されているのは14パーセント。利用されていない面積は東京ドーム約470個分に値するという。銀座グリーンプロジェクトは他にも銀座のビル屋上緑化を視野に入れている。