松屋銀座(中央区銀座3、TEL 03-3567-1211)は7月23日、緑化された屋上の菜園で関係者らを招き初めての「収穫祭」を行った。
今回の収穫は、NPO法人「銀座ミツバチプロジェクト」(中央区銀座1)の協力のもと、テレビ朝日(港区)の地球環境ドキュメンタリー番組「素敵な宇宙船地球号」が推進するプロジェクト「銀座グリーンプロジェクト」の考えに賛同した同店が屋上の一部を提供し、2007年5月に芝生や花壇、菜園を作ったことによるもの。曇り空の中行われた収穫祭は、番組のナビゲーターとしてタレントの劇団ひとりさん、安めぐみさんをはじめ、大江戸野菜研究会会長でマサキ・エンヴェック(本社=長崎県)の眞崎建次社長、銀座ミツバチプロジェクトの田中淳夫副理事長など総勢20人以上が参加し、その様子は番組のカメラにも納められた。
銀座グリーンプロジェクトで作られた緑化には、ハーブやラベンダー、ふかふかの芝生が「緑のじゅうたん」のように育ち、菜園には苗植えから収穫まで銀座で行った初の「銀座ブランド」による無農薬野菜が実を付けた。栽培途中、銀座の場合はカラスが大敵となり心配していた眞崎さんだったが「『銀バチ君』が飛んでいるお陰で大丈夫だった」と安心した様子。収穫されたカボチャ、パプリカ、キュウリ、ナス、ししとう、ミニトマトなど約10種類の野菜は生のままでも「それぞれの野菜の味が生きていて、十分においしい」(関係者)という。
収穫後は、参加者全員で銀座ハチミツ(ユリノキ)とりんご酢、キュウリペーストをソーダ割ったドリンクで乾杯した後、取れたて無農薬野菜に付けて楽しめるチーズと銀座ハチミツを使ったディップ4種類など5品を試食。また今回、フレンチレストラン「GINZA kansei」(銀座5)の坂田幹靖オーナーシェフが特別に調理した料理も試食に登場した。料理は、裏ごししたトマトにオクラと銀座ハチミツを浮かべたスープをはじめ、銀座ハチミツ入りのかぼちゃスープ、シャンパンの糠漬けキュウリとパルメザンチーズ、銀座ハチミツを塗って炭火で焼いたカボチャ、スープで煮込んだパプリカとナス(ナスのソースかけ)の5品。「銀座ミツバチプロジェクト」にも参加している坂田シェフは「こうした活動は(料理を)作る側としても楽しみ。もっと収穫量が多ければ、朝取りの『銀座ブランド』無農薬野菜としてぜひ店でも使ってみたい」と話している。
収穫を通して眞崎さんは「銀座というポテンシャルの高いところに政府や企業が主導するのではなく、堅苦しく考えないで個人が楽しみながらやることで屋上やベランダの緑化活動が広がることはいいこと」と感想を述べ、今後は「秋野菜だけでなく、米作り(二毛作)などに挑戦したい」と意欲を見せる。「例えば、松屋のカボチャ、シャネルのパプリカ、アップルのナスというように広がり、『銀座ハチミツ』と一緒に地産地消で楽しめる銀座ならではのブランドにしたい」とも。
同店広報課の矢吹直子専任係長は「来年から耐震工事に入るので、屋上緑化は10月中旬までとなり一時的に中断せざるを得ないが、工事が完了後は再び(緑化を)考えていきたい」と話している。