海を埋め立て350年前に誕生した築地を祝い、築地本願寺(中央区築地3)で3月15日、「築地生誕350年祭」が開催された。春の陽光に包まれた境内にはメーンイベント「350人で築地巻きずしに挑戦」に参加する子どもや大人、観光客など約3,000人が集まり、盛り上がりを見せた。
築地の将来を担う子どもたちを主体としたメンバーの「きずな」で全長160メートルの特製築地巻き作りに挑戦しようと、数カ月前から準備が進められてきた同イベント。境内には180センチのテーブルが所狭しと並べられ、テーブル1卓に子ども4人とサポート役の大人たちをそれぞれ配置。生誕350年にちなみ当初参加子ども数を350人と予定していたが、募集や口コミなどで当日集まった子どもの数は計500人に。予定していた88卓では足りず、テーブル数も増やした。
大きな円になるように配置したテーブル上には、巻きす、巻きのり、しゃりが160メートル分並べられた。そのほか、「築地らしい」すしネタとしてマグロ、イカ、卵、キュウリ、白ゴマも用意し、司会者の指示に従って子どもたちがそれぞれをしゃりの上に盛りつけていく。中には待ちきれず具材を自分の口に運び怒られる子どもの姿も。最後は司会者の合図とともに全員が巻きすでしっかり巻きつけ、完成した巻きずしが大歓声とともに姿を現した。
完成した巻きずしは15センチずつに切られ、参加者一人ひとりに配られた。小学4年生のこうきくんは、その場で巻きずしにかぶりつき、「自分で作ったのはやっぱりおいしい」と満面の笑みをこぼした。
同会は「参加した子どもたちが50年後にも『築地生誕400年』をやろうよと言ってくれたらこんなうれしいことはない」と話す。主催の筑地350実行委員会広報担当の鹿川賢吾さんは「予想以上の人が集まってくれた。今後の予定は決まっていないが、またぜひやりたい」とも。