銀座・伊東屋(中央区銀座2、TEL 03-3561-8311)9階ギャラリーで8月7日、久下貴史さんの個展「猫絵暦~源氏とNY、それぞれの物語」が始まる。
今年で9回目となる久下さんの個展は、猫をモチーフに描くその独特な世界観に魅了されるファンたちを筆頭に人気が高い展覧会の一つ。昨年は猫がオペラのワンシーンを演じる姿を描いた作品のほか、装束を着用した猫が百人一首の主人公になる「百猫一首」などを展示し、幅広い年齢層の女性を中心に人気を集めた。
今回の「目玉」は、猫に姿を借りた登場人物が源氏物語の五十四帖を繰り広げる「猫絵暦源氏物語」。源氏物語千年を迎えた昨夏、銀座の古書店でこの物語の出版物をたまたま目にした久下さんは、その瞬間「猫だ!」と思いつき、源氏物語を猫でつづった京風雅を表現しようと取り組み始めたという。会場では五十四帖の中から約半数の作品を紹介する。
銀座・伊東屋イベントプロデュース室の木内さんは「何も身につけず猫のままの姿で登場するので、ポーズや仕草で百人一首の登場人物が見えてくる」といい、「あの場面だなと想像しながら楽しんでいただければ」と話す。
会場には猫絵暦源氏物語とは対比的な作品として、ニューヨークを拠点に活動する久下さんがニューヨークの季節の移ろいを背景に猫たちを描いた「NYの絵暦」も並べる。展示作品数は猫絵暦源氏物語と合わせて約50点。
期間中、久下貴史さん作品のカレンダー(1,260円~)や画集(2,625円)を販売し、購入者には在廊する久下さんのサインサービスも行う。久下さんの在廊時間は毎日13時~16時。
開催時間は、水曜~土曜=10時30分~20時、日曜~火曜=10時30分~19時(初日=12時~20時。最終日=10時30分~18時)。8月19日まで。