「100年に一度の不景気」を背に外資系ブランドの閉店や移転などのニュースの傍ら、国内企業の頑張りが目立った銀座経済新聞のPVランキング1位には、上半期ランキングで2位に登場した「米カジュアルブランド『アバクロ』、銀座にアジア初の旗艦店－12月開業へ」が輝いた。

　ランキングは今年1月1日から本日までのヘッドラインニュースを対象に、PVを集計したもの。上位10位のランキングは以下の通り。（カッコ内は掲載日）

1. 米カジュアルブランド「アバクロ」、銀座にアジア初の旗艦店－12月開業へ(4/25)2. アバクロ銀座、「ストア・モデル」初披露－シャツはだけ腹筋あらわに(12/10)3. 仏老舗ジュエリー「モーブッサン」、銀座に初の旗艦店－初の低価格商品も(2/6)4. アバクロ銀座店、来月にオープン迫る－ストア・モデルは国籍関係なし(11/16)5. 銀座に名古屋スイーツ「天使のチョコリング」旗艦店－初のカフェ併設(10/15)
6. 銀座に今夏「ハーゲンダッツ ラ メゾン ギンザ」－カフェ併設へ(4/18)
7. 日比谷公園でビール祭り「オクトーバーフェスト」－5万人動員見込む(5/15)
8. 「アバクロ」アジア初の旗艦店、オープン迫る－先着でポスター配布も(12/5)
9. 銀座に無料おかきカフェ－播磨屋が今秋出店へ、都内2店舗目(7/24)
10. 有楽町「クリスピー・クリーム・ドーナツ」が増床リニューアル－カフェ拡大(5/28)

　日本上陸が明らかになった2007年から話題を集めてきた「アバクロンビー＆フィッチ 銀座店」。若い男性が上半身裸で腹筋をあらわにする「ストア・モデル」が店頭にお目見えした今月10日の記事が堂々2位にランクイン、4位・8位にもアバクロ関連のニュースが続き、読者の注目度の高さを物語る結果に。オープン当日の騒ぎは昨年オープンし一大旋風を巻き起こした「H&M」とは比べものにならないほどの静けさであったものの、ブランド戦略として男性をメーンターゲットに据えている同ブランドだけに男性客の姿が目立った。

　女性にとって「スイーツ」は欠かせないキーワードの一つだが、5位「銀座に名古屋スイーツ『天使のチョコリング』旗艦店－初のカフェ併設」や6位「銀座に今夏『ハーゲンダッツ ラ メゾン ギンザ』－カフェ併設へ」などの、スイーツ店がカフェを併設し人気を呼ぶケースも目立った。9位の無料おかきカフェは、おかきのほかドリンク類も無料という画期的な取り組みで来店客の約1～2割が購買につながるという。来街者がショッピングなどの合間に気兼ねなく入店きでるカフェスペースやスイーツが楽しめるカフェ需要の高まりは女性同士の来街者が多い銀座の中心ならでは。出店者側も女性をターゲットに据えることが多く、実際足を運ぶのも女性が大方を占めるようだ。

　そうした反面、10位にランクインした「有楽町『クリスピー・クリーム・ドーナツ』が増床リニューアル－カフェ拡大」では2007年のオープン以来、渋谷や新宿に比べ学生より社会人の来店が多かったことから無線LANに対応するなど、ビジネスマン層の客足をつかむリニューアルを行った。

　有楽町、日比谷、丸の内、新橋、汐留、京橋など周辺からの導線が明確になり、銀座の外組が広がりを見せようとしている近年、来街者層の多様化なども背景に、飲食店・ショップなどがターゲットを明確に打ち出すようになった。デパート不況が叫ばれ、専門店が強みを発揮する時代。中央通りに「紳士服専門店AOKI」「ユザワヤ」が出店、「ユニクロ」増床、銀座6丁目かいわいのファストファッション化が話題を集め、テナント賃料の下落も明らかになった。「100年に一度の不景気」を経た銀座が迎える2010年に注目したい。