エイチ・ツー・オー リテイリング(大阪市北区)は3月4日、モザイク銀座阪急(中央区銀座5、TEL 03-3575-2011)を2012年8月末までに閉店することを発表した。
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同店は1956(昭和31)年、H2Oの前身である阪急百貨店が銀座TSビル(旧銀座東芝ビル)に百貨店「数寄屋橋阪急」として開業。2004年に専門店「モザイク銀座阪急」へと業態転換し、数寄屋橋交差点の一角で50年以上にわたって営業を続けてきた。
東急不動産は2007年、大型複合ビルへの建て替えを前提に同ビルを東芝不動産(港区)より1,610億円で取得。2009年には建物建て替えのための立ち退きを求めてH2Oらを提訴していた。閉館の発表は、東急不動産とH2Oらとの間に訴訟上の和解が成立し、モザイク銀座阪急内の既存テナントの定期建物賃貸契約が満了する2012年8月31日で双方が賃貸借契約解除することに合意したことによる。
和解にあたり東急不動産は、明け渡し完了と引き換えにH2Oに立ち退き保証金として60億円を支払い、和解成立日から明け渡し完了日までの賃貸料などの支払いを免除する。H2Oでは立ち退き保証金を2013年3月期の特別利益として計上する予定。
阪急百貨店は1984(昭和59)年、「有楽町マリオン」(千代田区有楽町2)に「有楽町阪急」を開業以来、銀座・有楽町エリアでは2店体制で百貨店を運営。1995年からはOLの「オフタイム」を提案する数寄屋橋銀座阪急、「オンタイム」を提案する有楽町阪急というコンセプトを打ち出し、数寄屋橋銀座阪急には米衣料品小売りチェーン「GAP」日本1号店をオープンした。2004年、数寄屋橋銀座阪急は「発信力のある店舗を柔軟にリーシングするため」阪急商業開発へと移管し現在のモザイク銀座阪急へ。現在はアパレルからアクセサリー、雑貨、サービスなど43店舗が営業する。
有楽町阪急は今年7月ごろから一時休業し、ビジネスマンや国内外からの男性観光客をターゲットにする「阪急MEN'S TOKYO(メンズトーキョー)」として、今年秋をめどにリニューアルオープンを予定する。