銀座2丁目の路面で1915(大正4)年から営業を続ける理容店「ヘアーサロンササキ」(中央区銀座2、TEL 03-3561-582)がリニューアルオープンして2カ月が過ぎた。
新富町で創業し、明治の終わりには初代が兄弟で理髪店を営業していたという同店。現在の銀座2丁目には1915(大正4)年に移転したが、1923(大正12)年の関東大震災、1945(昭和20)年の空襲と、2度にわたって店は焼失。現在の店舗は翌1946(昭和21)年に建てた2階建て建築で、1階を店舗に、2階を居住スペースに利用し、改装・補修を重ねながら現在まで営業を続けてきた。
店主は1981(昭和56)年銀座生まれで、4代目となる佐々木岳史さん。小学生のころから「将来は床屋さんに」と考えていたという岳史さんは、高校卒業後に美容専門学校で理容師免許を取得。世田谷の店で修行後、2005年から同店で働く。「祖母と祖父が働く姿をカーテン越しに見て育った。楽しんでやっているように見え、その気持ちは今も変わらない」(岳史さん)
3代目は岳史さんの叔父にあたるが、交通事故で早世。岳史さんは祖父である2代目の指導の下で経験を重ね、昨年4代目として店を継いだ。現在は祖母と2人で店を切り盛りする。
建物全体に及ぶ初めての改装は今年1月から始まり、2月10日まで続いた。約6坪の店舗部分では白黒がメーンだった内装に木目を取り込み「温かみのある雰囲気」に。理容椅子2脚を備え、椅子が回転して「座ったまま」シャンプーすることが可能。
メニューは、「カットコースメンズ(シャンプー、シェービング、セットを含む)」(4,000円)、女性向け「顔剃りエステ(クレンジング、トリートメントを含む)」(3,500円)など。
岳史さんはリニューアルオープンにあたり、「これまで先祖がこの場所でずっと続けてきたというのはすごいこと。お客さんに安心して『ここに来ればいつもいる』と思ってもらえるように、自分も50年はやっていきたい」と意気込む。
基本受付時間は8時30分~18時45分(土曜は16時まで)。日曜・祝日・第1土曜定休。