焼きたてのアップルパイなどが人気を集める銀座・並木通りの洋菓子店「ピエスモンテ」(中央区銀座8、TEL 03-3574-0960)が5月10日、リニューアルオープンした。
店主は1947(昭和22)年、満州で生まれ山口県で育った下村信司さん。大学卒業後にサラリーマンとして働いたが、「菓子が好きで、作るのも見るのも好きだった」ことから24歳で辞職して菓子職人として修行の道へ。ヨーロッパにも足を運び、洋菓子店見学などを繰り返した。
1971(昭和49)年、銀座6丁目に洋菓子店「エルドール」を創業。入居したビルのオーナーと共同経営したが、同ビルがテナントビルへと方針変更するのをきっかけに、1987(昭和62)年に並木通りに移転。フランスの飾り菓子の名前で「山のように積み上げる」という意味を持つ「ピエスモンテ」として再オープンした。今年で創業40周年を迎える。
店内はショーケースの奥に調理場を併設し、「作っているところが外からもよく見える」のが特徴。店舗面積は約30坪。本格的なリニューアルは今回が初めてで、調理機器なども新規導入、一部新調したほか、販売スペースではクッキーやマドレーヌなどの焼き菓子をバラ売りするための飾り棚を新たに設けた。
人気を集めるのは、「毎日13時30分ころに焼き上がる」アップルパイ(1ピース500円、18センチホール3,900円)や、シューアラレーム(360円)など。生菓子はホールケーキ常時15種、プチガトー常時18種を取りそろえ、定番のほかチョコレートやマンゴーなど季節に合わせて変化させる。
焼き菓子はこれまで箱単位で販売したが、「若い女性客にも手軽に手にとってもらいたい」とバラ売りをスタート。サブレ、マドレーヌ、マカロン、クッキーなど約30種が並び、「調理後すぐにパッケージする。その日に作った商品が中心に並ぶので香りがいい」と下村さん。
利用客の6割は男性で、「会社訪問などでの手土産の定番」としても親しまれる。40年間続いた秘訣(ひけつ)については、「デパートへの出店などの話もあったが、多店舗化しなかった。目の届くものにこだわって作ってきたからかな」と下村さん。今後については、「今は震災の影響もあって夜に遊びに出ている人も減っている。続けていられるだけで合格」と話した。
営業時間は12時~24時。日曜・祝日定休。